オフになると注目されるのはFA権を擁している選手の動向だ。チームを離れる決断を下すのか、それともとどまるのか。その行方が来季の優勝争いに大きく影響を及ぼす。ここでは、今季FA権を取得したパ・リーグ6球団の主な選手の現在地を探っていく。
記録は10月18日現在

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・大田泰示

 2009年、巨人にドラフト1位で入団しプロ13年目の大田泰示が8月22日、出場登録日数8年に達し、国内FA権の資格取得条件を満たした。「FAを取れるとは思っていなかった。FAを取る前に(現役生活が)終わっちゃうと思っていたから。感慨深いし素直にうれしい」と心境を明かした大田。16年オフに日本ハムに移籍して以来、4年連続2ケタ本塁打を放ち不動のレギュラーとしてチームをけん引してきたが、今季は71試合の出場にとどまり打率.199、3本塁打、18打点と大不振。9月6日の登録抹消以降一軍昇格はない。権利の行使については明言していないが、「長くやるという大きな目標に目を向けてやりたい」と語る今後の動向に注目が集まる。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・石川歩

 昨季まで2年連続で開幕投手を務め、先発投手の中心的存在として腕を振る石川歩が、9月に国内FA権を取得。今季は2月下旬から足のコンディション不良で二軍調整で開幕に間に合わず、4月に復帰するも6月3日には右ヒジ関節クリーニング手術を行った。早期決断で9月に再復帰を果たして以降、5戦3勝。オリックスと優勝争いを展開するシーズン最終盤に大きな戦力となっている。悲願の優勝を目指しているだけに「FAの権利を取れるまでプロ野球の世界でプレーしてこられたということに関してはうれしいですが、FAの権利が取れたことについては、特に何も思いはありません。今はシーズン中ですし、いつもどおり投げる試合でしっかりとゲームをつくることだけを考えています」と球団を通じてコメントするにとどめている。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・嘉弥真新也

 L.モイネロ、森唯斗と不動の2人を欠き、苦戦を強いられた今季のリリーフ陣。これまで以上に一人ひとりに負担がかかる中、嘉弥真新也は今季もフル回転。ここまで登板試合数58はチームトップの成績で、50試合以上登板を5年連続に伸ばしている。サイドスロー転向をきっかけに、2017年から左のワンポイントに定着。限られた場面で存在感を示し続け、4月23日に国内FA権を取得した。シーズン序盤ということもあって当時は「何も考えていないです」と話したが、昨オフ、球団と結んだ契約は複数年ではなく単年。ワンポイントにとどまらず、登板機会を得たいという気持ちもあることだろう。10月5日の楽天戦(PayPayドーム)で通算100ホールドを達成した左腕は、シーズン終了後、どんな決断を下すのか。

オリックス・バファローズ



オリックス・後藤駿太

 ドラフト1位で2011年に入団し、高卒新人ながら開幕スタメンに名を連ねた後藤駿太(当時の登録名は駿太)。1年目は一軍30試合出場を果たし、翌年も開幕一軍を勝ち取るなど期待は大きく、中でも俊足を生かした広い守備範囲と強肩を誇り、高い守備力は大きな戦力に。レギュラー定着の課題として「打撃向上」と言われ続け、定位置を奪えず今季11年目を迎えたが、代走、守備固めとしては大きな戦力なのは確か。通算877試合出場がそれを物語り、9月には国内FA権を取得した。チームは優勝争いの真っただ中とあって「優勝に貢献できればいいかなとは思うんですけど、本当にやっと取れた権利なので、しっかり考えたい」と話している。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・福山博之

 今年5月13日に国内FA権を取得したのが「サブちゃん」の愛称で親しまれる福山博之だ。2011年ドラフト6位で横浜(現DeNA)に入団するも、12年オフに戦力外となり、トライアウトを経て楽天に入団。中継ぎの一角に台頭すると、14年から4年連続60試合以上登板を果たすなど、大車輪の活躍を見せた。しかし19年7月に右ヒジ、肩のクリーニング手術を受けると、20年は育成契約に。それでもリハビリを経て復活を果たすと、同年9月に支配下に返り咲いた。今季は5月3日のソフトバンク戦(PayPayドーム)で通算100ホールドを達成。「これからもチームの勝利のために1球1球投げていきたい」と語っているが、どんな決断を下すか。

埼玉西武ライオンズ



西武・岡田雅利

 8年目の岡田雅利が6月に国内FA権を取得した。「一野球選手としてうれしいことですが、今は昨年の悔しい気持ちをライオンズで晴らすために目の前の1試合1試合、全力で挑んでいくだけです」とコメントしたが、献身的なプレーはチームに欠かせない。第2捕手としてチームを支える。正捕手の森友哉は大阪桐蔭高の後輩に当たるが、いろいろな相談に乗る“精神的安定剤”の役割も担う。昨オフの契約更改では「プレーもそうだけど、いろいろな貢献度があると言ってもらえました。そういうところを見てもらえたのはうれしい」と笑顔を浮かべた。打撃では小技にも長けており、どのような状況でもきっちりと犠打を決める“ピンチバンター”としても真価を発揮。背番号2は手放してはいけない存在だ。

写真=BBM