今秋のドラフトで支配下77人、育成51人の計128人が指名された。選手たちは希望に夢をふくらませてプロ野球の世界に飛び込むが、その戦いはシビアだ。入団時は鳴り物入りで注目された選手も結果を出さなければ、チャンスは少なくなる。高山俊、清宮幸太郎、平沢大河、藤平尚真……ドラフト1位で指名されて中心選手として期待されながら、今季一軍未出場の選手たち。意地を見せてほしい。

1年目に新人王獲得も



阪神・高山俊

・高山俊(阪神)
※通算成績429試合出場、打率.253、20本塁打、135打点、21盗塁

 入団1年目の2016年に外野の定位置をつかみ、134試合出場で打率.275、8本塁打、65打点で新人王を受賞。シーズン136安打、猛打賞13回と球団新記録を塗り替えた。DeNAのラミレス前監督が「将来は首位打者になれる」と絶賛した逸材は2年目以降の飛躍が期待されたが、17年は攻守で精彩を欠き、103試合出場で打率.250、6本塁打と前年の成績を下回る。18年は45試合出場と激減し、打率.172、1本塁打、14打点。若手が台頭する中で存在感が薄れていく。今年は右足を開いたオープンスタンスに打撃フォームを改造して巻き返しを誓ったが、開幕から1度も一軍に昇格していない。後輩の近本光司、佐藤輝明、サンズ、ロハスとの競争になるが、ファームでも試行錯誤が続いている。もう一度輝きを取り戻せるか。

二軍では本塁打王に輝く



日本ハム・清宮幸太郎

・清宮幸太郎(日本ハム)
※通算成績230試合出場、打率.198、21本塁打、73打点、2盗塁

 早実で史上最多の高校通算111本塁打をマーク。無限の可能性を秘めた長距離砲は「和製ベーブ・ルース」と形容され、ドラフトで高校生最多タイの7球団が競合した。入団1年目は53試合出場で打率200、7本塁打と片鱗を見せたが、その後は度重なる故障もあり伸び悩んでいる。確実性に欠き、打てるゾーンが限られているため打率が上がらない。今季は故障以外で初の開幕二軍スタートが決まると、チームが下位に低迷しているにもかかわらず一軍からお呼びの声がかからない。イースタンで106試合出場、打率.199、19本塁打、60打点。渡部健人(西武)と本塁打王のタイトルを分け合ったが、打率が低すぎる。113三振はリーグワースト。球を遠くに飛ばす才能は稀有なだけに、ミート能力を高めたい。

2年連続で一軍出場なし



ロッテ・平沢大河

・平沢大河(ロッテ)
※通算成績236試合出場、打率.197、7本塁打、46打点、9盗塁

 仙台育英高で攻守走3拍子そろった高校生No.1野手として評価を高め、ロッテと楽天がドラフト1位で競合。ロッテが当たりクジを引き当てた。背番号「13」は当時ヤンキースで活躍していたアレックス・ロドリゲスにちなむ。球団の期待は大きかったが、なかなか結果が出ない。2018年は藤岡裕大との正遊撃手争いに敗れて出場機会を増やすために外野に挑戦。自己最多の112試合出場で打率.213、5本塁打と可能性を感じさせた。遊撃で勝負する思いを固めたが、昨年は右ヒジ痛の影響で出遅れて一軍出場なし。今季もファーム暮らしが続いている。24歳を迎える年になり、「期待の若手」の枠ではなくなってきている。首位争いを演じるチームの戦力になれず、歯がゆさを感じているだろう。ファンの人気は根強いだけに一軍の舞台でプレーしたい。

二軍でも結果が出ず



楽天・藤平尚真

・藤平尚真(楽天)
※通算成績26試合登板、7勝12敗、防御率4.25

 名門・横浜高で1年秋からエースとなり、3年夏に甲子園出場。楽天がドラフト1位で指名し、将来のチームを背負う逸材と評された。高卒1年目の2017年は登板日にチームの大型連敗を2度止めたことから「連敗ストッパー」と評価される働きぶりで、3勝4敗、防御率2.28。しかし、2年目は4勝7敗、防御率4.43と不本意な結果に。19年はイースタンで9勝2敗と格の違いを見せ、勝率第1位(.818)と最多奪三振(107)のタイトルを獲得したが、一軍登板は3試合のみ。昨年は1試合登板に終わり、今季は一軍登板なし、ファームでも0勝6敗、防御率7.16と結果が出ていない。投手として非凡な才能を持っていることは間違いない。同期入団のオリックス・山本由伸、同学年で新人のチームメート・早川隆久が活躍している姿を見て何を思うか。

写真=BBM