8月に入り、ペナントレースの行方が激しさを増しているが、タイトル争いも同様だ。セ・リーグ6球団の「タイトルを狙う選手」の現在地は?
※記録は8月5日現在

読売ジャイアンツ



巨人・大勢

 新人ながら開幕からクローザーに抜てきされた大勢には2冠のチャンスがある。150キロ超のストレートとフィニッシュブローのフォークで守護神としての適性を示し、6月4日のロッテとの交流戦(東京ドーム)で12球団最速の20セーブ到達。現在も最多セーブを狙える位置につけている。だが、チームが下降線を描いたことでセーブシチュエーションでの登板機会が激減。さらに新型コロナウイルス感染で離脱も余儀なくされた。実力的にはすでにタイトルを狙えることを証明しており、新人王レースでも先頭に立つだけに、ここからどれだけセーブ数を積み重ねられるかに注目だ。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト・塩見泰隆

 有言実行へ、先の塁を狙い続ける。昨オフの契約更改で「盗塁王」獲得を目標に掲げていたのは塩見泰隆。一番に定着した昨季は出場140試合でリーグ3位の21盗塁を記録したが、今季はすでに出場86試合で22盗塁をマーク。近本光司(阪神)の20盗塁、昨季盗塁王の中野拓夢(阪神)の17盗塁を上回り、リーグトップに位置付けている。盗塁数だけでなく、打率、出塁率、長打率なども増加傾向で、このペースで行けばキャリアハイを更新する。新型コロナウイルス感染から復帰後は、打率は下降気味だが盗塁は着実に記録している。初の盗塁王獲得へ、バットで復調のきっかけをつかみペースを上げていきたい。

広島東洋カープ



広島・坂倉将吾

 鈴木誠也(現カブス)が抜けたあとのチームを託された1人、坂倉将吾が、悲願の初タイトルに向けても懸命にバットを振っている。5年目の昨季、ブレークを果たしてリーグ2位の打率.315をマーク。そのときに首位打者争いを繰り広げ、惜しくもタイトルを譲ったのが鈴木だった。となれば、先輩のあとを受け継ぐほかない。今季は五番打者として開幕から勝負強い打撃を続けてきた。マクブルームが新型コロナウイルスに罹患して離脱すると、四番に“昇格”。その四番で重責からか、少し打撃の調子を落としていたが、8月5日にマクブルームが復帰。定位置に戻った今、きっかけをつかんで再浮上したいところだ。現在、打率.297はリーグ6位。ただ、今季21連続安打を記録するなど、勢いにさえ乗れば、一気にトップまで駆け上がることも不可能ではない。

阪神タイガース



阪神・近本光司

 昨季、178安打で最多安打を獲得した近本光司は、200安打まで残り22本の差を感じながら達成できる感覚もつかんでいた。当然のように今季は200安打を目標に臨んだ。スロースターターと言われているが、それなりの安打を重ねながら投手とのタイミングを約1カ月かけて得たあとは、5月28日のロッテ戦(ZOZOマリン)から30試合連続安打の球団タイ記録を作るなど順調に安打数を伸ばしている。ただ8月に入り3試合連続無安打と珍しい状況が続いた。ここまで118安打でリーグトップながら、チームメートの中野拓夢が116安打。2人で切磋琢磨しながら安打数を伸ばしていけば、自ずとチームの勝利に貢献していくことになるはずだ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA・佐野恵太

 頼れる中軸が、2年ぶりのタイトルに向け安打を量産中だ。佐野恵太は、2020年に首位打者(.328)、ベストナイン(外野手)を獲得。今年もここまで、チーム2位の82試合に出場し、打率.326でセ・リーグ2位と打線をけん引している。7月10日の巨人戦(東京ドーム)では、延長10回に決勝の犠飛、2安打2打点の活躍で4対2の勝利に貢献してお立ち台に上がるも、「僕が今、ヒーローインタビュー受けていますけど、全員がヒーローだと思っています」と責任感の強い佐野らしいコメント。首位打者を獲得したとしても、佐野にとってチームへ貢献してきた結果に過ぎないかもしれない。それでも、“クローズドスタンス”の背中で引っ張る主将の姿はチーム、ファンにとって頼もしいことこの上ない。

中日ドラゴンズ



中日・大島洋平

 今季でプロ13年目、11月には37歳を迎えるベテランの大島洋平が首位打者に浮上したのは8月3日のヤクルト戦(神宮)だ。6打数6安打を記録して、前日の打率.316から.329と跳ね上げ、一気にトップに躍り出た。これまで最多安打のタイトルは2019、20年と2度あるが、首位打者は一度もない。今季は開幕からコンスタントに安打を重ねていたものの、4月27日の阪神戦(甲子園)で右ヒザに死球を受け、およそ1カ月の戦線離脱となった。復帰後しばらくは不調だったが、本来の調子を取り戻してきた。広角に打ち分けるバットコントロールは匠の技。年齢を感じさせない足もある。意識するのはまだ先だが、大島にしても獲っておきたいタイトルに違いない。

写真=BBM