8月に入り、ペナントレースの行方が激しさを増しているが、タイトル争いも同様だ。パ・リーグ6球団の「タイトルを狙う選手」の現在地は?
※記録は8月5日現在

埼玉西武ライオンズ



西武・山川穂高

 四番としての貫禄にあふれている。シーズン序盤、ケガのために14試合欠場しながらホームランを量産。ここまでリーグ断トツの31本塁打を放っている山川穂高。連覇を果たした2018、19年以来のタイトル奪取は確実だろう。さらに狙いたいのが打点王だ。本塁打王獲得時の18年には124打点、19年には120打点を挙げたが、それぞれ浅村栄斗(現楽天)が127打点、中村剛也123打点とチームメートに僅差で敗れ去っていた。今季はここまで65打点と2位・浅村に5打点差をつけている。得点圏打率.313と勝負強さを見せている山川。四番が打撃2冠に輝けば、チームがV奪回を果たす可能性もグッと高まってくる。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天・浅村栄斗

 ここまでパ・リーグ2位の60打点をマークしている浅村栄斗。トップの山川穂高(西武)との差は「5」。本塁打部門では18本塁打で、こちらも山川に次ぐ2位につけているが、13本差と大きな開きがある。狙えるとしたら打点部門だろう。後半戦に入って1打点のみだが、安打は出ており、調子自体はまずまずだ。チーム内では相手からもっとも警戒される打者であり、四球の数は同僚の西川遥輝に1個差の59とリーグトップ。なかなか勝負してもらえないもどかしさもあるが、チャンスでの一打に期待したいところだ。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク・千賀滉大

 昨季、8年ぶりのBクラスになるとともに、12球団で唯一となるタイトルホルダーゼロに終わったソフトバンク。2年連続無冠は避けたかったところだが、残念な結果が現実味を帯びてきている。前半戦終了時点でタイトルに最も近かったのが、エース・千賀滉大だ。リーグトップの防御率1.70と、さすがの安定感。離脱者の多いチーム状況を考えても、千賀自身、1点もやらない投球は何よりも求められていた。しかし、後半戦開幕戦の7月29日の西武戦(PayPayドーム)で5失点を喫し、敗戦投手に。防御率も2.05となると、8月4日には新型コロナウイルス感染が発覚。「4週はかかるんじゃないかと思っている」(齋藤学投手コーチ)という首脳陣の見立てなら、規定投球回到達はかなり厳しい状況だ。打撃部門では、打率リーグ5位に今宮健太(.292)、同6位にY.グラシアル(.290)、同7位に牧原大成(.288)がいるが、連続安打を続けない限り、首位打者のタイトルには届かない。

オリックス・バファローズ



オリックス・山岡泰輔

 同じタイトルをチームメートで争う。防御率1.75の山岡泰輔と同1.80の山本由伸だ。山本は2019年と昨季に続く3度目の最優秀防御率がかかる一方、初の同タイトルとなるのが山岡。右ヒジ手術から復活した今季は開幕直後こそ救援登板も、その後に先発ローテーション入りし、多彩な変化球を駆使して安定感ある投球を続けた。オールスターで新型コロナに感染して後半戦は、離脱スタートとなって規定投球を割ったが、規定到達まで残り45回1/3。1試合平均7回を投げれば、7登板で達するだけに早期復帰が待たれるところ。何よりチームは逆転優勝の可能性も十分に残るだけに、山本とともに先発ローテを支えたい。ロッテ・佐々木朗希ら他球団のライバルもいるが、両右腕がハイレベルに競い合えば、逆転優勝も近づいてくる。

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ・高部瑛斗

 目標数字を設定して挑んだ3年目。初の開幕スタメンを勝ち取り、以降も俊足巧打で存在感を示してレギュラーに定着した高部瑛斗が2つのタイトルを射程圏内にとらえる。1つは、102安打を放ってリーグ3位につける安打数。トップの日本ハム・松本剛が故障離脱中だが、高部も新型コロナの陽性反応が出て離脱。さらに楽天・島内宏明が105安打を放っているだけに、早期復帰で数字を伸ばしたいところだ。もう1つは、リーグトップの29を記録している盗塁だ。前半戦最終間際には「40盗塁は決めたいとコーチとも話してシーズンに入ったんです。その数字はクリアしていきたい」と、口にしていた目標の数字へ。新型コロナからの復帰後も変わらぬ俊足巧打を披露すれば、2冠も見えてくる。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム・松本剛

 開幕から2位以下を突き放してパ・リーグの打率トップを独走、首位打者はほぼ確実と思われていた松本剛を、7月19日、アクシデントが襲った。自打球を受けて左膝蓋骨下極骨折と診断され、復帰までは4週間の見込み。もはや説明不要の活躍で打率.355は断トツだが、問題は規定打席に到達するかどうか。これまで83試合に出場し、334打席に立っている松本が、規定打席の443に達するためには残り109打席が必要になる。1試合4打席立ったとしても27試合出場は必須。わずかな規定打席不足なら不足数を打数に加算する特例もある。ケガを完治させ万全の状態で残り試合に臨めば、首位打者の可能性は低くない。プロ11年目悲願の初タイトルへ、まずは完全復帰を目指す。

写真=BBM