今回はパ・リーグのドラフト1位を予想していく。ドラフト1位の指名候補は各球団の戦略が色濃く見える。即戦力の獲得か、伸びしろを期待しての将来性か? 昨年は佐藤輝明(近大→阪神)と早川隆久(早大→楽天)の2人が、4球団競合となった。今年はどうなるか?

福岡ソフトバンクホークス


【本命】隅田知一郎
【対抗】三浦銀二

[左]隅田知一郎・投手/西日本工大/22歳 [右]三浦銀二・投手/法大/22歳

有望株高校生と即戦力投手を両にらみ

 選手層の厚さを理由として将来性豊かな高校生が軸となってくる一方、今季、離脱者が相次いだこともあって投手陣のやりくりに苦労したという点は見過ごせない。となれば、1位には即戦力投手を指名する可能性も。三浦銀二(法大)、隅田知一郎(西日本工大)は、ともに多彩な変化球を織り交ぜた投球技術を高く評価していることに加え、それぞれ福岡、長崎と地元・九州の出身。隅田はチームに不足している“先発型の左腕”という点でもポイントが高い。

 夏の甲子園が終わり、高校生で評価を上げたのは、秋山正雲(二松学舎大付高)。永井智浩編成育成本部長兼スカウト部部長は「投手として持ち合わせていないといけないものがそろっている」と語り、さらなる成長に期待を寄せる。野手では“ポスト柳田悠岐”を予感させる前川右京(智弁学園高)ら将来のクリーンアップ候補をマークする。(R)

【PLAY BACK 2020】
 明言していた佐藤輝明(内・近大)をまたもクジで外すも、内野手狙いはブレることなく、成長楽しみな高校通算50本塁打スラッガーを獲得。三塁・松田宣浩の後継者として、パワフルな打撃とともに明るさ・元気の良さにも着目。数年後、チームを背負って立つ中心選手へ、大きく育てていく。

千葉ロッテマリーンズ


【本命】佐藤隼輔
【対抗】山下輝

[左]佐藤隼輔・投手/筑波大/22歳 [右]山下輝・投手/法大/22歳

先発&救援とも続・左腕の獲得!

 手薄な状況は一目瞭然。ベンチ入りはすべて右腕の日も少なくないだけに、昨年に続いて左腕の獲得に踏み切る可能性は高い。救援に限ったことではなく、今季途中にロメロを獲得したように先発左腕も獲得したいところ。「大学No.1左腕」の呼び声高い佐藤隼輔(筑波大)の指名に踏み切る可能性は大いにあり、山下輝(法大)、黒原拓未(関学大)らも候補に挙げ、仮に抽選で外れた場合も昨年同様、方針を貫いても不思議ではない。

 一方でシーズン途中に中日から加藤匠馬をトレードで獲得し、育成の植田将太を支配下登録したとはいえ、田村龍弘の後継者も求めるところ。即戦力左腕の指名が相次げば、岩本久重(早大)、古賀悠斗(中大)らに舵を切る可能性もゼロではない。現有戦力とのバランスを見れば、やはり左腕の指名が現実的だが、競合覚悟がどう出るか。(TA)

【PLAY BACK 2020】
 2019年まで1位は高校生も、昨年の方針は不足する即戦力左腕で固まり、競合覚悟で早川隆久(投・早大)に入札した。クジで逃すも、第2回入札もブレることなく左腕へ。指名後、井口資仁監督の「左のパワーピッチャーを探していた」の言葉がドラフト戦略を物語った。

埼玉西武ライオンズ


【本命】風間球打
【対抗】佐藤隼輔

[左]風間球打・投手/明桜高/18歳 [右]佐藤隼輔・投手/筑波大/21歳

投手陣の底上げは必須 手に入れたい好素材

 昨年のドラフトでは支配下指名7人中、5人が野手だっただけに最上位では投手を取りたい。今季もチーム防御率がリーグ最下位と投手は弱点のまま。甲子園で評価を高めた風間球打(明桜高)、最速154キロ右腕の森木大智(高知高)やゲームメーク能力の高い小園健太(市和歌山高)ら将来のエースとなりうる魅力的な素材は1位候補に入ってくるだろう。

 また、投手の中でも特に深刻なのは左腕不足。今季は9月9日現在、左投手は計2勝のみで、一昨年、昨年の大卒、社会人卒のドラフト2位左腕・浜屋将太、佐々木健も伸び悩んでいる。即戦力左腕の獲得は必須だ。特に評価の高い隅田知一郎(西日本工大)や佐藤隼輔(筑波大)にも狙いを定めたい。さらに若手捕手も乏しいだけに、松川虎生(市和歌山高)らも喉から手が出るほど欲しい人材だ。(MK)

【PLAY BACK 2020】
 左投手不足を解消すべく大学No.1左腕の早川隆久(投・早大)に果敢にアタックしたが、4球団競合の末、クジを外した。すると、狙いを巨漢大砲へシフトチェンジ。2巡目入札で単独で渡部を獲得。レギュラー野手が高齢化し、もともと野手偏重のドラフトとなる予定だった。

東北楽天ゴールデンイーグルス


【本命】風間球打
【対抗】正木智也

[左]風間球打・投手/明桜高/18歳 [右]正木智也・外野手/慶大/22歳

将来見据え高校生投手 ポスト浅村の大砲も待望

 昨年は即戦力投手4人を上位で指名しており、今年は高校生投手、野手を上位で指名する可能性が高い。投手は2016年1位・藤平尚真以降、高校生を1位で獲得できておらず、将来の投手陣を担う存在が不可欠となる。そこで名前が挙がるのが、最速157キロ右腕の風間球打(明桜高)。8月25日に行われた今年初のスカウト会議で、上位にリストアップされた模様だ。また、完成度の高さでは小園健太(市和歌山高)と森木大智(高知高)、素材型では長身右腕・達孝太(天理高)の名前も挙がる。他球団の動きを見ながら、慎重に決めることになるだろう。

 一方、打者の主力には30代の選手が多く、浅村栄斗以外はほぼ左打ちと偏りもある。即戦力の右打者としては正木智也(慶大)で、右方向にも飛ばせる能力を高評価。高校生ではいずれも左打者だが、阪口樂(岐阜第一高)、前川右京(智弁学園高)の打力に熱視線を送る。(YO)

【PLAY BACK 2020】
 直近4年の1巡目第1回入札ではすべて高校生を指名も、昨年の補強ポイントは先発を任せられる即戦力左腕。早川隆久には早くから熱視線を送っていた。野手の佐藤輝明(内・近大)とともに、この年のドラフトの目玉と言われ4球団が競合。それでも石井一久GMが見事に引き当てた。

北海道日本ハムファイターズ


【本命】風間球打
【対抗】木村大成

[左]風間球打・投手/明桜高/18歳 [右]木村大成・投手/北海高/18歳

投手陣の層を厚く 野手は長打力ある逸材を

 補強ポイントは多数あるが、投手陣はもっと層を厚くしたい。最速157キロ右腕の風間球打(明桜高)は最後の夏にさらに評価を高めた。8月24日に行われたスカウト会議で高校生の指名候補を約40人に絞り込んだが、トップクラスの評価の1人だろう。ほかに森木大智(高知高)、小園健太(市和歌山高)や新球場ができる北海道・北広島市出身の148キロ左腕、木村大成(北海高)、大学生左腕の隅田知一郎(西日本工大)にも注目しているもようだ。

 野手では長打力が課題となる。現チームには野村佑希らポテンシャルの高い若手が多いが、彼らの刺激になるような好素材を獲得したいところ。投打二刀流の阪口樂(岐阜第一高)や吉野創士(昌平高)、強打の捕手という補強ポイントに合致する松川虎生(市和歌山高)らも指名候補となる。(T)

【PLAY BACK 2020】
「その年の一番いい選手を獲得する」。これが日本ハムのドラフト戦略だ。昨年「一番」と評価したのが地元・北海道出身の右腕・伊藤大海で、見事「一本釣り」に成功。球団では初めての道産子1位指名となった。2023年開場の新球場の観客動員を見込んでの指名でもあった。

オリックス・バファローズ


【本命】池田陵真
【対抗】椋木蓮


[左]池田陵真・外野手/大阪桐蔭高/18歳 [右]椋木蓮・投手/東北福祉大/21歳

即戦力なら救援投手 将来性なら右の外野手

 即戦力を求めるなら投手を狙うだろう。ブルペンが固まらずセットアッパーは助っ人、抑えは37歳の平野佳寿と救援適性のある投手が欲しいところだが、今季は山岡泰輔の離脱が大きく響いているだけに先発、救援ともこなせる投手が最適とも言える。候補には右腕なら椋木蓮(東北福祉大)、左腕なら佐藤隼輔(筑波大)、黒原拓未(関学大)が挙がってきそうだ。

 とはいえ、現在3年連続でドライチは高卒。現有戦力も育ちつつあるだけに、将来性に舵を切る可能性は高い。となれば狙うは右の外野手だ。昨年2位の元謙太を右の外野手として指名も本人の意向で現在は内野で経験を積んでいるだけに、指名する可能性は大。候補に挙がりそうなのが池田陵真(大阪桐蔭高)、吉野創士(昌平高)。右の大砲を獲得して、紅林弘太郎、来田涼斗らとの将来の中軸を育てたい。(AT)

【PLAY BACK 2020】
 吉田正尚の後を打つ強打者を求め、12球団最速で佐藤輝明(内・近大)の指名を公言。が、抽選で敗れると育成路線に方向展開して山下舜平大へ。2019年のドライチ、左の宮城大弥と「左右のエース」として期待を寄せ、結果的に3年連続の高卒ドライチとなった。