5月22日。1人のスーパースターがNBAに別れを告げた。男の名はカーメロ・アンソニー。201センチ107キロのフォワードは、世界最高のプロバスケットボールリーグで19シーズンもプレーし、レギュラーシーズンでNBA歴代9位の通算2万8289得点を残してきた。

 デンバー・ナゲッツ、ニューヨーク・ニックス、オクラホマシティ・サンダー、ヒューストン・ロケッツ、ポートランド・トレイルブレイザーズ、ロサンゼルス・レイカーズへ在籍した男は、通算1260試合に出場して平均22.5得点6.2リバウンド2.7アシストをマーク。

 オールスターに10度、オールNBAチームに6度選ばれ、ニックス在籍時の2012−13シーズンには平均28.7得点で得点王となり、2021年にはNBAの75周年記念チームにも名を連ねており、将来のバスケットボール殿堂入りが確実視されている。

 もっとも、カーメロは昨シーズンにレイカーズでプレーし、平均13.3得点4.2リバウンド1.0アシストを残したものの、今シーズンはNBAチームと契約してプレーすることなく、NBAから引退を表明していた。

 5月28日(現地時間27日)。NBAインサイダーのマーク・スタイン記者は、今シーズンにヨーロッパでトップレベルの複数クラブがカーメロに関心を示していたと報道。

 もしそこでヨーロッパのクラブと契約していれば、カーメロはプロキャリア20年目を送ることは十分できたはずだ。ところが、稀代の点取り屋はNBAのチームからオファーがない限り、どこでもプレーすることはないという決断を下していたようだ。

 NBAという競争の激しい環境で、持ち前のスキルとシュート力を駆使して得点を量産してきたカーメロはこれから先、通算得点でトップ10圏外に順位を落とすことになるだろう。

 それでも、この男がバスケットボールへ注いできた情熱やコート上で見せてきた存在感、クラッチショットの数々は、今後も決して色あせることはないはずだ。

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