6月12日、広島ドラゴンフライズは2023−24シーズンのロスターが確定したと発表した。

 2022−23シーズンは、激戦の西地区で41勝18敗(4位)の好成績を残し、ワイルドカードでクラブ史上初のチャンピオンシップ進出。CSでは“史上最強”との呼び声もあった千葉ジェッツに敗れたものの、アウェーで先勝する大健闘を見せた。

 早々にカイル・ミリングヘッドコーチとの契約更新を発表した今オフは、辻直人と佐土原遼が退団し、山崎稜(前群馬クレインサンダーズ)を獲得。岡崎修司ゼネラルマネージャー(GM)は「選手・スタッフ一人ひとりの成長を主軸とした強化方針を掲げております」とチーム編成の方針を明かし、主力が抜けた新シーズンは、「出場機会やプレータイムの配分が変化し、求められる役割が大きくなることで、大きく成長する選手が増えてくると確信しています」と、若手選手のさらなる飛躍に期待を寄せた。

 いわゆる“継続路線”を取るなかでも、外国籍選手の残留は朗報だった。チーム最多の1試合平均16.6得点を挙げたドウェイン・エバンスをはじめ、同15.4得点のケリー・ブラックシアー・ジュニア、同14.2得点のニック・メイヨ、Bリーグ最長身220センチを誇る“フィリピンの至宝”カイ・ソットまで全4選手が残留。岡崎GMは「積み上げをする上では、大黒柱となる外国籍選手の継続は必須であると考えておりましたので、チームにとっては非常に大きなポイントとなりました」と、インサイドで存在感を示す主力との契約更新に胸をなでおろした。

 特にメイヨについては「来シーズンで日本でのプレーが5年目となるということで、広島で日本人への帰化ができるよう中長期的な視点でサポートを進めてまいります」と説明。アジア特別枠選手のソットに関しては、NBAサマーリーグやワールドカップなどの経験を経て、「パワーアップをして帰ってくることにも期待をしております」とコメントを寄せた。

 ウイング、シューター陣は、アイザイア・マーフィー、船生誠也、朝山正悟が契約継続。新加入の山崎については「粘り強く、役割に徹することのできるシューティングガードの加入は、いぶし銀の活躍が期待できると思いますし、昨シーズンのチームに欠けていた要素をもたらすことのできる存在なので、昨シーズン以上にチームの総合力が増すと考えております」と期待した。

 ポイントガード陣に顔ぶれの変化はなく、「非常に若く、実力と将来性を兼ね備えたロスター」と岡崎GM。ゲームキャプテンとしてチームをけん引した寺嶋良については「中心選手としてチームを勝利に導くだけでなくリーグ、日本を代表する選手により近づいていくと期待をしております」と語り、上澤俊喜には「今まで以上にチームの核になる選手へと育っていく」と期待。また、昨年12月にプロ契約を結んだ中村拓人も「新人賞を狙えるだけの実力を持っている」と評価した。

 新シーズンを前に、チームを統括する岡崎GMは「短期的な成果を求めながら、伸びしろのある若手選手の成長にも期待し、新B1を見据えた中長期的な視点からも強化を進めてまいります」と、あらためて今後の方針を示し、「チャンピオンシップに出場することができ、B1の頂点へ挑戦するチャンスを得た昨シーズンを踏まえて、来シーズンは積み上げてきたものを大きく飛躍させる1年にしていきたいと思います」と、2023−24シーズンの抱負を語った。

▼ 広島ドラゴンフライズ

<2023−24シーズンロスター>
0  寺嶋良(PG)
2  朝山正悟(SG/SF)
5  アイザイア・マーフィー(PG/SG)
7  船生誠也(SF)
8  ケリー・ブラックシアー・ジュニア(PF/C)
10 上澤俊喜(PG)
11 カイ・ソット(C)
12 中村拓人(PG)
13 ドウェイン・エバンス(SF/PF)
24 ニック・メイヨ(PF/C)
30 山崎稜(SG) ☆新入団

<退団>
3  辻直人(SG) ⇒ 群馬クレインサンダーズ
23 佐土原遼(SF/PF)

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