◆■セルティックスとレイカーズで優勝を経験した名PG

 マット・バーンズ(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)、スティーブン・ジャクソン(元ゴールデンステイト・ウォリアーズほか)がホスト役を務めるポッドキャスト番組“All the Smoke”の最新エピソードが公開され、ラジョン・ロンドが同番組の新たなメンバーとして出演した。

 そこでバーンズから質問されたロンドは「そう。(キャリアは)終わったんだ。もうできないよ。子どもたちと過ごしたい」と口にし、NBAキャリアに終止符を打ったと発表した。

 185センチ81キロのロンドは、ケンタッキー大学出身のポイントガードとして2006年のドラフト1巡目21位でフェニックス・サンズから指名され、当日のトレードでボストン・セルティックスへ移籍。

 NBAでは強気な司令塔として徐々に頭角を現し、キャリア2年目の2007−08シーズンにはポール・ピアース(元セルティックスほか)、ケビン・ガーネット(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)、レイ・アレン(元シアトル・スーパーソニックスほか)というビッグ3とともに先発を務め、球団史上17度目のリーグ制覇に大きく貢献。

 キャリア16シーズンでセルティックス、ダラス・マーベリックス、サクラメント・キングス、シカゴ・ブルズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、ロサンゼルス・レイカーズ、アトランタ・ホークス、ロサンゼルス・クリッパーズ、クリーブランド・キャバリアーズでプレーし、2019−20シーズンには控えのポイントガードとしてレイカーズの17度目の優勝を手助けした。

「僕は(コートに立っていた)毎分が大好きだった。それに数年に渡って共有し、築き上げ、成長することができた兄弟のような関係に感謝している」

 番組内でロンドはそう語り、さらにこうも口にしていた。

「ゲームを通じてものすごく多くのことを学んだからこそ、今の僕がいる。…これはみんなに言っていることなんだけど、僕にとっては夢ではなく目標だった。大学時代はあまりパーティーに行かなかったんだ。けど犠牲を払ってでも、なりたい自分になる価値があったんだ」

 ロンドはレギュラーシーズン通算957試合で平均29.9分9.8得点4.5リバウンド7.9アシスト1.6スティール、通算134試合へ出場したプレーオフでは同34.0分12.5得点5.6リバウンド8.5アシストをマーク。

 オールスターに4度、オールNBAチームに1度、オールディフェンシブチームに4度名を連ねたほか、アシスト王に3度、スティール王に1度輝き、キャリア最初の約9シーズンをプレーしたセルティックスでは平均8.5アシスト、1.9スティールで球団史上トップに君臨。

 また、2011−12シーズンの平均11.7アシスト、2009−10シーズンの794アシスト、189スティール、平均2.3スティールは、いずれも1シーズンにおけるセルティックスの球団最多記録となっている。

 流麗なビハインド・ザ・バックドリブルとそれを囮にしたフェイク、チームメートへ的確に届く絶妙なパスさばきなど、長い間リーグトップクラスの司令塔として活躍してきた。

 38歳のロンドが持ち前の高度なバスケットボールIQや豊富な経験を生かし、いつかコーチとしてNBAの舞台へ戻る日が訪れることを期待したいところだ。

【動画】ロンドのキャリアトップ35プレー集はこちら!