4月5日、世界最高峰のバスケットボールリーグであるNBAと株式会社ERUTLUC(エルトラック)が立ち上げた「NBAバスケットボールスクールジャパン」が、渋谷教育学園渋谷中学校・高等学校の体育館で開講した。

 NBAはこれまで、日本バスケ界の育成年代においてB.LEAGUEと共同で「Jr.NBAクリニック」などを展開してきたが、今回は日本国内でバスケットボールの育成プログラムなどを展開するERUTLUC社とタッグ。オーストラリア、スペイン、ブラジル、中国など、世界17カ国で展開してきた定期開催型の「NBAバスケットボールスクール」が、ついに日本に初上陸することになった。

 記念すべき開講初日となった5日は、9歳から17歳までの子どもたち約40名が参加。ERUTLUC社の日本人コーチが中心となりながら、かつてポルトガル代表とカーボベルデ代表としてプレーした経験もあるNBA Asia バスケットボールオペレーションのナタリア・アンドレ氏もコーチングスタッフの1人として練習をサポート。終始笑顔で子どもたちと接しつつ、時折ボールを手に自ら実技指導するなど、プレーレベルに合わせたアドバイスを送っていた。

 そんな練習の様子をコートサイドで見守っていたERUTLUC社の鈴木良和代表取締役は、「ここまで沢山長い時間をかけて準備してきたので、ようやくこの日を迎えられてすごくうれしいです」と充実の表情を浮かべ、今後NBAバスケットボールスクールジャパンを全国へ拡大していきたいという考えも表明。「(NBA側と会話を重ねる中で)僕たちだけではできないことをNBAの力を借りて実現できると感じた。すごい事業になっていくと思う」と話した。

 指導カリキュラムなどについては、ERUTLUC社が積み重ねてきたものとNBA側の知見を融合して作り上げていくようで、ERUTLUC社のコーチングスタッフもNBAバスケットボールスクールの日本上陸に期待感を抱いている。記念すべき初日にメインコーチを務めた柳田康平氏は、「NBA側の新しい知識などもあると思います。僕もバスケットボールに携わる人間として、自分たちのいない世界で起きていることが見られると思うので、すごく楽しみです」と声を弾ませた。

 いわゆる“塾”的な立ち位置になる「NBAバスケットボールスクールジャパン」の対象年齢は5歳から18歳まで。バスケットボールを楽しむことを大前提に、NBAバスケットボールスクールだからこそ取り入れられる洗練されたカリキュラムが魅力の一つだという。また、将来的には各国の受講生たちが集うNBAバスケットボールスクールトーナメントへ日本から参戦する可能性もあるなど、無限の可能性を秘めている。

 バスケットボールの競技普及という点において、NBAの名を冠した取り組みが今後どのような広がりを見せていくのか。育成年代のプレーヤーとその指導者にとって、新たな選択肢が出てきた。