5月20日より、男子日本代表のディベロップメントキャンプが味の素ナショナルトレーニングセンターでスタート。今後の継続的かつ将来的な男子日本代表チームの強化を目的としたこのキャンプには21名が招集された(岡田侑大/京都ハンナリーズはケガのため不参加)。今夏に開催されるパリオリンピックに向けた選手発掘とともに、2028年に行われるロサンゼルスオリンピックを見据えた若い世代の育成を目的としたキャンプが、5月24日、報道陣に公開された。

 メディア対応をしたトム・ホーバス男子日本代表ヘッドコーチは、「若い選手のエネルギーはすごいです」とコメント。「みんな積極的に取り組んでいるし、オフェンスもディフェスでも色々と教わっています。今日、5対5をやったのですが、4、5人は次の合宿にも呼べると思う」と、手応えを口にした。

 ディベロップメントキャンプといっても、ホーバスHCは「パリオリンピックに向けて、ロスターの中でリバウンドやシュート力などの足りない部分、ポジションをカバーしてくれる選手を今、探しています」と、このメンバーからのA代表入りも可能であることに言及。

「今は富樫(勇樹/千葉ジェッツ)と河村(勇輝/横浜ビー・コルセアーズ)が代表でプレーしているが、やっぱり3人目のガードはサイズがほしい。アジアカップ(予選)では、(デーブス)海(アルバルク東京)がよかったけど、湧川(颯斗/滋賀レイクス)が195センチありますから、面白い存在です」と語った。

 FIBAアジアカップ2025予選は2月に行われたが、それから3カ月間、ホーバスHCはBリーグの試合をチェックしながらも、NBAのプレーを研究するは忘れていなかった。「(NBAの試合を見ていると)いい戦術がいっぱいある。そのあたりをこの合宿で使えるかどうかを試しています」と余念がない。

「このプレーを渡邊(雄太)と河村の2人にやらせたらどうなるだろうかと想像したり。僕にとっても勉強の場になっています」と、ディベロップメントキャンプ中でも常に日本代表のレベルアップのアイディアを探しているようだ。

 また、参加している高校生について質問が及ぶと、まず瀬川琉久(東山高校)の名前を挙げて「ショック!」という表現を用い、「17歳の年齢であれだけフィジカルなバスケに順応できている」と評価。また「プレーを急がない」と語り、ポイントガードとしてゲームコントロールの面での落ち着きや状況把握力の高さに目を丸くしていた。「きっと将来A代表のメンバーになると思う」と将来性についても言及した。

 もう1人の高校生、渡邉伶音(福岡大学附属大濠高校)については、「まだ体ができていない部分もあるけど、シュートはとてもきれい。彼も面白い存在」と評価。「2人はとてもいい経験をしていると思う。きっとびっくりすることも多かったし、注意されることもあったけど、吸収して帰ってほしい」と期待を寄せた。