◆■選手、GM、相談役として輝かしいキャリアを築いたレジェンド

 6月13日(現地時間12日)。NBAロゴのモデルで、現役時代に勝負所で見事な活躍を見せて“ミスター・クラッチ”のニックネームでも知られたジェリー・ウェスト(元ロサンゼルス・レイカーズ)が、86歳でこの世を去った。

 190センチ79キロのガードとして1960年のドラフト1巡目全体2位でレイカーズから指名されたウェストは、NBAキャリア14シーズンでオールスターに14度、オールNBAチームに12度、オールディフェンシブチームにも5度選ばれ、レギュラーシーズン通算932試合でキャリア平均39.2分27.0得点5.8リバウンド6.7アシストを記録。

 NBAファイナルへ計9度も出場し、1969年にはボストン・セルティックスに3勝4敗で敗れたものの、シリーズ平均43.9分37.9得点4.7リバウンド7.4アシストをたたき出し、初代ファイナルMVPにも選出。同アウォードで敗れたチームから選ばれたのはウェストのみとなっている。

 1971−72シーズンにはウィルト・チェンバレン、ゲイル・グッドリッチらとともにNBA史上最長のレギュラーシーズン33連勝をマークし、自身唯一のリーグ制覇を達成した。

 その後ウェストは1982年6月から2000年8月までレイカーズ、2002年4月から2007年6月にかけてメンフィス・グリズリーズでゼネラルマネージャー(GM)を務めた。1994−95シーズン(レイカーズ)、2003−04シーズン(グリズリーズ)に最優秀エグゼクティブ賞に選出。

 レイカーズでは1996年夏のFA(フリーエージェント)戦線でシャキール・オニール、同年のドラフトを絡めたトレードでコービー・ブライアントを獲得し、リーグ史上最高級のデュオ形成に尽力した。

 また、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ロサンゼルス・クリッパーズで相談役もこなしており、計9度のチャンピオンリングを獲得。1980年に選手として、1960年のローマ・オリンピックメンバーとして、さらに今年は功労者としても殿堂入りが決まっており、申し分ないキャリアを送ってきた。

 バスケットボール界の偉大な人物が他界したことを受けて、NBAコミッショナーのアダム・シルバーは「ジェリー・ウェストはバスケットボールの天才であり、60年以上にわたって、このリーグを定義する人物でした」と声明で綴っていた。

「ジェリーとの友情、バスケットボールや人生に関して長年にわたって彼が教えてくれた知識を大切にしてきました。NBAを代表し、ジェリーの妻カレンと彼のご家族、そしてNBAコミュニティの多くのご友人たちに深く哀悼の意を表します」

 NBAという世界最高のプロバスケットボールリーグの選手としてだけでなく、コーチも務めたほか、GMや相談役というフロント職でも輝かしい実績を残してきたウェストは、まさに唯一無二の人物だった。

 この男がコート内外でこれまでにこなしてきたことは、今後も決して色あせることなく、永遠に語り継がれていくに違いない。

【動画】ジェリー・ウェストのキャリアハイライト