21日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『2021 SUPER DELUXE SERIES』が開催され、ジェイク・リーが因縁の諏訪魔を制して三冠ヘビー級王座V2を果たした。

 ジェイク・リーは現在の全日本でトップクラスの体格と才能を持ちつつ、ここ一番の試合で結果を出せない“不遇の天才”としての評価が定着しつつあった。しかし、今年3月に“TOTAL ECLIPSE”を結成してヒールターンすると、内に秘めていたカリスマ性が爆発。硬い殻を破ってついに花開いた。
 ジェイクは今年のチャンピオン・カーニバルで悲願の初優勝を果たし、本来は5月の大田区総合体育館大会で当時の三冠王者・諏訪魔に挑戦する予定であったが、大会1週間前に諏訪魔が新型コロナウイルスに罹患し王座を返上。緊急事態宣言による大田区大会は6月に延期され、青柳優馬との巴戦を制してジェイクが三冠王座初戴冠を果たした。
 すっきりしない形での王座戴冠に対してジェイクはもやもやとした気持ちを持ち続けていた。その後、諏訪魔が王道トーナメントを制覇して三冠への挑戦権を得ると、ジェイクは「諏訪魔を倒して俺は自分の納得した形でベルトを巻く」と意気込んだ。

 試合はゴングが鳴るやいなや諏訪魔が我武者羅な連撃で畳み掛け、場外戦でも鉄柵に叩きつけながらのダブルチョップなどで猛攻。しかし、ジェイクは弱ったフリで諏訪魔の油断を誘って痛烈なカウンターを叩き込み、場外マットを剥がして板の間へのDDT、奈落式ジャンピングDDTといった頭部への集中攻撃を展開。
 試合は完全にジェイクのペースで進み、ジェイクが諏訪魔の攻撃をニーリフトで潰しつつ顔面へ的確にジャイアントキリングを叩き込み、大の字になって動かなくなった諏訪魔を見てジェイクは勝利を確信して両手を広げて天を仰ぐ。しかし、ブチ切れてリミッターが外れた諏訪魔がガバリと起き上がり、ジェイクを無茶苦茶に殴りつけてから串刺しラリアット、ジャーマン・スープレックス、ローリングラリアット、バックドロップ2連発と猛攻。
 しかし、3発目のバックドロップをジャンピングニーで切り返したジェイクはハイキック、後頭部へのジャイアントキリング、バックドロップ、D4Cと怒涛のラッシュで3カウント。因縁の諏訪魔を制して2度目の防衛に成功した。

 マイクを取ったジェイクが「やっと自分が納得した形でこのベルトを腰に巻くことが出来た!俺はまだ、まだやり残してることがたくさんある!俺は自分の計画を必ず遂行する!今、全日本プロレスは……俺だ!」と万感の思いを叫ぶと、この日のセミファイナルでゼウスを倒して参観王座次期挑戦権を掴んだ宮原健斗がビシリと決めたスーツ姿でリングイン。

 宮原は「いつの時代もなあ、主役は2人もいらねえんだよ。どんな時代も全日本プロレスの歴史をさかのぼったら主役は1人だ。申し訳ないが、ジェイク。今の時代は俺の時代なんだよ。プロレスファンも全日本プロレスファンも、このカードに期待することだろう。そして、この2人が向かい合ったときが新たな時代の幕開けだ。舞台は!10月16日、大田区総合体育館だ!主役は!俺だ!」と来月のビッグマッチでの三冠戦を要求。
 ジェイクもこれを無言で肯定し、「もう1度言う。今の全日本プロレスは……俺だ!」と叫んで観衆の大喝采を浴びた。

 試合後、ジェイクは戦前に「諏訪魔との前哨戦は(本来三冠戦を行うはずだった)5月から始まってる」と語っていたことに触れ、「もっと前から始まってたんだよ。あの人が俺を全日本プロレスに引き込んだときから、こうなる運命だったんだ。俺は、結果を求めてよかったと思ってる。諏訪魔戦に関しては以上だ。これ以上は……喋ろうとしたらすごく長くなってしまう」とこみ上げる熱い思いを言葉には出さず胸の内にしまい込む。

 そして、若手時代から競い合ってきた宮原との10・16大田区決戦に向け、「歴史はもう動き始めてる。大きくな。俺がこれを持った瞬間からだ。アイツは言った。『主役は2人いらない』と。そう、俺も同じ気持ちだ。主役は1人でいい。1人でいいんだ。俺がそれを証明する」と気炎を上げた。