31日、東京都・新木場1stRINGにて、『Evolution旗揚げ戦』が行われ、SUNNY(さにー)がデビューを果たした。

 株式会社Evolutionは、2021年10月より全日本プロレスと業務提携した株式会社ステータスの100%子会社であり、全日本プロレスと業務提携はしているものの資本的な繋がりはない会社。ステータス社はセールスプロモーションをメインに行う広告代理店。

 当団体は、株式会社Evolutionによる『女子プロレスラー育成プロジェクト』によって誕生した女子プロレスの新団体企画としてスタート。全日本プロレスの諏訪魔&石川修司がプロデューサー、コーチを務めて女子選手を育成し、「全日本プロレスと女子はきっちり線を引いていきたい」とあくまで別団体として旗揚げを目指してきた。

 昨年9月の全日本プロレス日本武道館大会では練習生たちがリングに上ってファンに姿を見せており、旗揚げのタイミングについて注目が集まっていたが、今年2月についに旗揚げ戦の開催がアナウンス。旗揚げ戦ではSUNNY(さにー)、ZONES(ぞねす)、Chi Chi(ちーちー)の3選手がデビューにこぎつけた。
 石川修司プロデューサーは、指導については特に受け身に重きを置いたと言い、「厳しい練習に付いてきて、根性というかプロレスに対する思いはちゃんとある3人。まず受けが出来ないとプロレスは始まらない。そこは全日本の教えでもあると思いますので、受けを一番大事に教えていて、僕らが『このくらいまで行けば大丈夫』というラインには到達できていると思います」と太鼓判を押していた。
 プロレスファンがEvolutionにかける期待は大きく、この日のチケットは早々に完売。新木場1stRINGには座席がみっちりセットされ、278人(超満員)の集客を記録。5月5日には早くも旗揚げ第2戦が行われることも発表された。

 第1試合では、SUNNYが高瀬みゆきとのシングルマッチでデビュー。
 SUNNYは、148cm、40kg。水泳、器械体操、クラシックバレエを約15年やっており、ヨガのインストラクターを約5年前から務めているという。元々プロレスファンであったというSUNNYは「見ているだけじゃなくて、もしやれるのであれば人生1度きりだと思って挑戦しました」とプロレスデビューへの想いを語っていた。
 そして、高瀬とのデビュー戦については「高瀬選手は試合でとても元気でパワフルで、周りを巻き込んで、お客さんも巻き込んだ試合が魅力的だなと思っていたので、是非闘わせていただけることが光栄だなと思う気持ちと、ワクワクとドキドキが半々の気持ちです」と意気込みを語っていた。

 元気が持ち味だというSUNNYはパワーファイターの高瀬にも怯むこと無く突貫し、スピード感溢れるロープワークからドロップキックの6連打。中盤から高瀬が背骨攻めを展開してSUNNYは窮地に陥るも、高瀬のカミカゼをスタンド式の胴絞スリーパーホールドで切り返し、絞め落とすあと一歩まで追い込む場面も。
 SUNNYは、しなやかなブリッジを描くフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドやダイビング・クロスボディなどで攻め立てるが、高瀬はこれをすべて真っ向から受けきった上でツイスターで叩きつけ、カミカゼからのダイビング・ギロチンドロップを見舞って3カウントを奪った。

 大会エンディングでマイクを取ったSUNNYは、「ホントに、あっという間だったんですけど、本当に皆様の声がこんなにリングの中に届くんだなっていうのが、すごく一番びっくりしたことで、一番嬉しかったことで。でも、その期待に応えられなかった悔しさと、練習の成果を思う存分出せなかったっていうのが心残りですが、ここに改めて立ってみて、私やっぱりプロレスもっと好きだし、もっともっともっと強くなって、皆様がここに来てもっと来る前よりも元気になれるような試合をしますので、またこれからも是非Evolutionをよろしくお願いします!」とコメント。
 さらに、バックステージでは「元気さ、エネルギッシュさ、自分にはまだまだ足りないと思ったので、もっともっともっと、本来はもっと元気なので、その元気さを伝えられるように、もっとエネルギッシュに、そして自分の明るさを出しながら観客の皆さまをもっと沸かせられるようなレスラーになります」と、さらなる飛躍を誓った。