G7会場に自分のリゾート選んだトランプ氏、批判され撤回

G7会場に自分のリゾート選んだトランプ氏、批判され撤回

ドナルド・トランプ米大統領は来年6月にアメリカで開催が予定される主要7カ国首脳会議(G7サミット)を、自分がフロリダ州に所有するゴルフ・リゾートで開くと発表していたが、与野党の批判を受けて、19日にこれを撤回した。

トランプ氏はツイッターで、野党・民主党やマスコミからの「狂って不合理な敵対」を理由に、自分の「トランプ・ナショナル・ドラル・マイアミ」でG7サミットを開くのはやめたと明らかにした。

「私利追求」批判相次ぐ

G7サミット会場をめぐっては、米政府は17日に、トランプ氏のリゾートにすると発表。これに対し、トランプ氏が大統領の立場を自分の金銭的利益のために利用していることの証拠だと、批判の声が相次いだ。

ホワイトハウスは、そのつもりはないと反論していたが、民主党だけでなく与党・共和党の連邦議員たちからも再考を求める声が出ていた。

トランプ氏はこれを受けて、ホワイトハウス近郊にある大統領別荘キャンプ・デイヴィッドを代わりの候補地に挙げた。G7サミットがバラク・オバマ前政権中の2012年にアメリカで開かれた際には、会場はキャンプ・デイヴィッドだった。

トランプ氏はツイッターで、自分のリゾートは「大きくて豪華」で、「素晴らしい宴会場や会議室がある」と強調。「トランプ・ナショナル・ドラルを使えばこの国にとってとても良いはずだと思っていた」が、「例によって、敵対的なメディアと連中の民主党の仲間は大騒ぎだ!」と書いた。

さらに、「そのため、マスコミと民主党の狂って不合理な敵対をもとに、我々はこれ以上、2020年G7の会場にトランプ・ナショナル・ドラル・マイアミを検討しない。ただちに、キャンプ・デイヴィッドの可能性を含め、別の場所を探し始める。ありがとう!」と続けた。

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/1185735579327193093


トランプ・ナショナル・ドラルとは

広さ約320ヘクタールの敷地に、ゴルフコースが5つ、客室700室のホテル、スパ、会議室、売店などが並ぶリゾートは、マイアミ国際空港から約13キロの距離にある。

前の所有者が倒産したのを受け、2012年にトランプ氏が買い取った。

ウエブサイトによると、敷地内にはトランプ氏の長女、イヴァンカさんの名前を冠した宴会場などがある。

地元紙マイアミ・ヘラルドは今年5月、トランプ・ナショナル・ドラルの収益が事業計画に対して「甚だしく落ち込んでいる」と伝えた。

憲法の報酬条項

ホワイトハウスのミック・マルヴェイニー大統領首席補佐官代行が最初に、トランプ・ナショナル・ドラルをG7会場にすると発表した際、「原価」で使用できるため政府は何百万ドルも節約できると説明していた。

しかし、G7会場になることで知名度が上がり、相当の宣伝効果が見込めると、批判の声が相次いだ。

さらに、「合衆国から報酬または信任を受けて官職にある者」は、「連邦議会の同意なしに」、外国からいかなる「贈与、支払い、利益」も得てはならないと定める、合衆国憲法の第1章第9条第8項のいわゆる「報酬条項」に抵触するという指摘も出たものの、マルヴェイニー氏はこれを否定した。

一方で、「ワシントンの責任と倫理」を追求する市民監視団体は、トランプ氏が「経営難に陥っている自分のゴルフ事業を支えるため、大統領権限を利用している」と批判した。

民主党が過半数を占める連邦下院は近く、大統領の決定に対する非難決議について採決する予定だった。民主党はさらに、政府がどのような経緯でドラルを会場に選んだのか、選考に至った情報を提出するよう求める予定だった。

民主党幹部のナンシー・ペロシ下院議長も、トランプ氏の決定は違憲だと批判していた。

トランプ氏が所有するゴルフ・リゾートについては9月、英スコットランドにあるトランプ氏のゴルフ場に米空軍スタッフが滞在を指示されていた事態が発覚し、空軍が宿泊先の選定について検討を開始している。

トランプ氏に対しては現在、ウクライナ政府に民主党や政敵の捜査を要請していたことを理由に、民主党が弾劾調査を進めている。さらに、トランプ氏がシリア北東部からいきなり駐留軍を撤退させ、トルコによるクルド人勢力攻撃を事実上容認したことに対しては、共和党重鎮からも強い批判の声が出た。


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