人権団体によると、ミャンマー軍は8日から9日にかけて中部の古都バゴーでクーデターに抗議する住民80人以上を殺害したという。軍は多くの遺体を現場から持ち去ったとされており、実際の死者数は分からない状態になっている。

目撃者たちは地元メディアに、重装備の兵士たちが動くものは手当たり次第に銃撃していたと話した。

大勢の犠牲者が出たとされる古都バゴーは、主要都市ヤンゴンの近郊。軍による住民殺害は9日に起きたものとされるが、多くの住民が近隣の村へ逃げ込む事態に追い込まれたため、状況が広く伝わるのが1日以上遅れた。

ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」(AAPP)は、実際の死者数は80人よりはるかに多いはずだとしている。

地元メディア「ミャンマー・ナウ」によると、抗議を主催したイエトゥ氏は「まるで民族虐殺だ。軍は、全ての影に向かっても発砲している」と話した。

2月1日の軍事クーデーター以降、政権与党だった国民民主連盟(NLD)と、同党を率いるアウンサンスーチー国家顧問の復権を求める市民ら抗議デモが全国で相次いでいる。これを封じ込めようとする軍の攻撃で、数十人の子供を含む600人以上が死亡している。

軍部は権力掌握のため、抗議する住民を武力で威圧。行使する武力の威力は日に日に拡大している。

9日にはNLDの議員たちやミャンマーのチョーモートゥン国連大使が国連安全保障理事会に対し、軍事政権に圧力をかけるよう訴え、制裁延長や武器禁輸措置、飛行禁止空域の設定などを求めた。

オンラインで開かれた9日の安保理会合で、チョーモートゥン大使らはミャンマーが「国家として破綻(はたん)する寸前」だと警告した。

政策提言NGO「国際危機グループ(ICG)」のリチャード・ホーシー氏は、ミャンマー軍の行動によってミャンマーは統治不可能な状態に陥る恐れがあると述べた。