スキャンダルに揺れる東芝の株主総会が25日、東京都内であり、取締役会議長の永山治氏ら2人について、取締役への再任を否決した。日本企業では異例の「反乱」を株主たちがを起こした形になる。

東芝については、昨夏の定時株主総会をめぐり経営陣と経済産業省が連携し、外国ファンドなど一部の株主に不当な圧力をかけたという外部調査が発表されていた。

永山氏らの再任否決は、日本の企業ガバナンスにとって新しい分岐点になるとする投資家の見方もある。

一方、永山氏の支持者は、会社にとって苦難の時期に指導者を欠くことになり、会社の業績をさらに後退させると反発する。

東芝の第2位株主で、永山氏の辞任を求めた3Dインヴェストメント・パートナーズは同日、永山氏の再任否決を歓迎。「本日の定時株主総会が、東芝の新時代の始まりとなることを期待する。東芝の新時代は、価値の創出や、すべてのステークホルダーへの透明性確保に注力し、株主との信頼構築にあらためて尽力すると約束するものになってもらいたい」とコメントした。

東芝の昨夏の定時総会では、取締役人事について経営側の提案が通り、海外投資家には圧力がかけられたと指摘が相次いだ。このため、昨年の総会が公正だったかについて海外ファンドが調査を求め、今年3月の臨時株主総会で、外部の弁護士による調査実施が決まった。海外ファンドの意向を受けて選ばれた外部の弁護士3人が、東芝から調査を請け負った。

永山氏の評価

永山氏が東芝の社外取締役として取締役会議長に就任したのは、昨年7月。海外株主への圧力があったとされる時期より、後のことだった。

永山氏は中外製薬名誉会長のほか、ソニーの社外取締役も務め、日本経済界では高い評価を受けてきた存在。ソニーも、ソニーで永山氏と共に社外取締役だった経験のあるジョン・ルース元駐日米大使も、共に永山氏の取締役会議長続投を支持すると表明していた。

ただし、東芝の海外株主エフィッシモ・キャピタル・マネージメントは、現経営陣が外部調査に抵抗を示したことについて、永山氏は責任を負うべきだと主張。「(永山氏は)候補の選定について最大の責任を追い、取締役会の行動について究極的な責任を負う」としていた。

東芝の経営側は取締役の候補者を11人指名した。25日の株主総会は、永山氏のほか、監査委員を務めてきた公認会計士、小林伸行氏の再任も否決した。

東芝では今年4月、英投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズから受けた200億ドル規模の買収提案をめぐり、当時の車谷暢昭社長が辞任している。東芝は当時、車谷氏の辞任理由を説明しなかったもの、車谷氏がかつてCVC日本法人の会長だったことから、買収案は不透明だと批判されていた。

電機メーカーの東芝は日本で最も古い大企業のひとつで、家電から原子力発電所まで幅広い商品を扱っている。