オーストラリアのスコット・モリソン首相は27日、今年11月に開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)に出席しない可能性を示唆した。

モリソン首相は27日付の豪紙ウエスト・オーストラリアのインタビューの中で、COP26への出席について、「最終的な決定はしていない」と述べ、出席は負担になると示唆した。「また海外へ渡航しなければならなくなる。私はこれまで、多くの時間を隔離期間に費やしてきた」。

豪政府は気候変動への対策が不十分だとして批判にさらされている。

COP26はここ数年で最大規模の気候危機に関する国際協議の場となる。

英スコットランド・グラスゴーでの、12日間にわたる世界の指導者による会議では、地球温暖化を遅らせ気温上昇を1.5度以下に抑えるための、新たな二酸化炭素(CO2)排出基準の策定が期待されている。

しかし、モリソン氏はオーストラリアの国境再開など、他の優先事項を検討するつもりだと述べた。

「新型コロナウイルス関連などに集中しなければならない。オーストラリアの国境はその頃(COP26開催の時期)には開放されるだろう。管理すべき問題が山積しており、これらの競争的需要に対処しなければならない」

世界有数の石炭とガスの輸出国であるオーストラリアは、今回の会議で2030年版の最新の排出削減目標を発表する予定の200カ国のうちの1つ。

モリソン氏は、オーストラリアが「できるだけ早く」温室効果化ガス実質ゼロ(ネットゼロ)を達成できることを望んでいるとしたが、その方策については明らかにしたなかった。

2050年までにネットゼロを実現する取り組みについては、すでにアメリカやイギリスをはじめとする多くの国が表明している。モリソン政権はこれに抵抗を示している。

マリーズ・ペイン豪外相は27日、モリソン氏が出席しない場合は、上級レベルの代表者が会議に参加するだろうと述べた。

「オーストラリアが会議に出席しないということはない。オーストラリアのどの上級代表が参加するとしても、この会議で力強く国を代表することは非常に明確だ」と、ペイン氏は豪ABCに述べた。

気候変動対策の遅れに批判

オーストラリアは、気候変動対策の遅れや、石炭火力発電への依存度が高いことを理由に批判を受けてきた。同国の国民1人当たりのCO2排出量は世界で最も多い。

豪政権はアジア地域で需要がある限り、低質燃料の採掘と取引を継続するとも誓っている。

国連は7月の報告書で、オーストラリアの気候変動への対応が加盟170カ国中最下位としていた。

また、オーストラリアの主張とは裏腹に、同国は2030年までに2005年比で26〜28%削減するという、パリ協定で定めた控えめな目標を達成するめどが立っていないと、国連は指摘している。