全国47都道府県の興行組合の会員から組織される全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は5月11日、「映画を愛する皆様へ」と題した声明文を発表した。劇場の営業を条件付きで許可する一方、映画館に休業要請をする東京都の措置に対し、「なぜ映画館だけが」との疑問を呈し、合理的で公平な説明を求めている。

●東京都の担当者は「人流抑制が目的」


 東京都は、5月7日付の「新型コロナウイルス感染拡大防止のための東京都における緊急事態措置等」において映画館を休業要請の対象とした。5月31日まで宣言が延長されたことで措置は続いている。
 内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室が5月7日に発表した「事務連絡」での国が示す目安では、特措法施行令11条1項4号の「劇場等」が全て人数上限や収容率などの要件を満たせば営業を許可している。対して東京都は、そのうち「映画館」「プラネタリウム」のみを、施設規模に応じた休業要請の対象にしている。
 全興連は「痛恨の極み」としながら、今まで映画館でクラスターが発生してこなかったことをアピール。コロナ禍の初期から、感染症専門医と協議し、科学的知見に基づいたガイドラインを作成して順守徹底してきた。傘下の事業者からも、「なぜ映画館だけが」「納得できる理由がない」といった声が多数挙がっているという。
 これに対し、東京都の担当者からの回答は「人流を抑えるための総合的判断」「感染症のリスク上の線引きではなく、人流抑制を目的としたもの」のみしか示されなかったとする。
 また、全興連では東京都の映画館を閉めることが実質上、全国規模の映画の公開が不可能になることも訴える。新作の映画が提供されない他府県の映画館や配給会社、製作会社、出演者やスタッフまでが苦境に立たされているとし、「彼らの悲痛な叫びには心が張り裂ける思い」と窮状を訴える。
 声明文では、東京都に対し、今回の措置に合理的で公平な説明をすることが、私権の制限を課す行政の責務との考えを示している。