東京都に続き愛知県も、9月11日から予約不要の新型コロナワクチン集団接種を始めた。一部の市町村も同じく予約なしでワクチン接種が可能な会場を用意している。
 今回の新型コロナワクチン接種は、地域の実情に合わせて対応できるよう、接種の進め方を自治体に任せた弊害として、自治体によってワクチン接種の進みが早い・遅い、予約が取りやすい・取りにくいといった違いが出てしまった。
 東京都墨田区は、9月4日時点の速報値で、区民全体の62.3%が2回接種を完了、1回目接種率は73.3%に達したことを明らかにした。2回目接種率は40歳代(40〜49歳)でも64.1%、30歳代(30〜39歳)でも43.8%と4割を超えた。一方、同じ23区内の葛飾区は、9月9日時点で2回目接種率は区民全体で45.56%、40歳代で32.85%、30歳代で25.74%にとどまり、特に1回目接種率は56.88%と墨田区とはだいぶ差が開いている。
 また、年齢別の接種率を公表していない首都圏内のある自治体は、2回目接種率が市民全体の58.7%、1回目接種率は42.3%と高いものの、40〜49歳は9月1日、30〜39歳は9月8日から予約受付をスタートし、16〜29歳は今週水曜、9月15日から予約受付を開始する予定。つまり、対象年代が全員、市内の医療機関(個別接種)・集団接種会場でのワクチン接種を希望し、職域接種、県や自衛隊の大規模ワクチン接種センターなどを利用してないと仮定すると、9月13日時点では40代・30代の2回目接種完了率は「0%」となる計算だ。ここまで明らかに接種率で差が出ると、「自治体ガチャ」と批判する人が出るのは止むを得ないだろう。
 しかし、この自治体ガチャで「当たり」だったが、事情によりワクチン接種を先延ばしにしていた人は、「ハズレ」に変わる可能性が出てきた。ワクチン接種を希望する割合を対象者の8割程度と想定し、達成を見越して、集団接種会場での接種や医療機関での個別接種の新規受付を終了または終了時期を告知する自治体が増えつつあるからだ。なお、日本全体では、10月10日までに対象者の9割が2回接種できるワクチンを確保する目途がついているという。
 すでに今後の接種終了の見込みを告知した板橋区は、8月27日付の更新で「国はこれまでとは一転して、ワクチン接種のスピードが遅い自治体に多くワクチンを配分し、全国で足並みを揃える方針に変更。このため、板橋区への(ファイザー製ワクチン)配分量は9月以降急激に減少します。(中略)このまま板橋区内で接種を受けるためにお待ちいただいても、接種を受ける時期が遅くなるか、結果的に接種を受けられなくなる可能性があります」と前置きした上で、「お勤め先や通学先の職域接種や、東京都が運営している集団接種会場での接種をお願いします」と呼びかけている。
 板橋区は試算したワクチン確保量(接種対象者の75.5%)に足らない分(0.5%)のワクチンを供給してほしいと厚生労働省に要望しているとのことで、次回更新で掲載内容が変わる可能性はあるが、報道によると、9月15日に新規予約枠を追加し、その枠がファイザー製ワクチンの最終分となる見通し。まるでコンビニや人気飲食チェーン店の期間限定・数量限定商品のようだが、「新型コロナワクチンは打てるうちに打つべし。後回しにするとワクチン接種会場・種類の選択肢が減る。少なくとも地元では打てなくなるかも」と認識したほうがいいだろう。接種を希望していてまだ予約を取っていない人は、居住する自治体のウェブサイトやSNSで最新情報をチェックしよう。(BCN・嵯峨野 芙美)