ヤマップは5月13日に、日本全国の流域を網羅した3Dデジタルの「YAMAP 流域地図」を公開した。

●山・川・街・海を含めた大地の広がりである流域を地図上で視覚化


 流域地図は、地域を行政区分ではなく、水の流れを基礎とした「流域」で表現した地図で、山・川・街・海を含む大地の広がりである流域を地図上で視覚化することによって、山を含めた自然資本の価値をわかりやすく伝えられる。また、流域全体で治水対策を行うといった、防災減災での活用も想定されている。
 今回、公開された「YAMAP 流域地図」は、流域思考の提唱者である慶應義塾大学名誉教授である岸由二氏らからのアドバイスをもとに開発された。地図上を選択すると流域がフォーカスされ、流域名が表示されるとともに、フォーカスされた地図上をさらに選択すれば、入れ子構造の流域が表示される。さらに、分化した入れ子構造の流域も確認できる。
 ほかにも、地図上を選択すると流域がフォーカスされて山頂が表示され、山頂マークを選択するとその山を含む流域がフォーカスされ、流域名や山名が表示される。また、山名からは同社の提供する登山・アウトドアプラットフォーム「YAMAP」の山情報が閲覧可能となっている。
 今回公開された「YAMAP 流域地図」はテスト版であり、今後は流域を単位とした洪水浸水に関するデジタルハザードマップを表示する機能や、流域を単位とした土砂災害に関するデジタルハザードマップを表示する機能、宇宙衛星観測画像を活用しつつ、水・土・大気、山・森・川・海といった自然資本を計測して、流域地図に表示する機能の追加を予定しているという。