2022年11月8日の皆既月食はご覧になりましたか?
2022年12月1日には、火星が地球に最接近!
年明けの2023年1月4日には、しぶんぎ座流星群も見られます。
星空を見上げたくなる天体イベントがこれからも続きます。

空気が澄んで明るい星が多い冬は、星空観察にぴったりの季節。ご自宅のベランダで、特別な道具なしでも今日からすぐに始めることができます。
初心者でも見つけやすい星座や、手軽に楽しむコツはどんなものがあるでしょうか。星空観望会も開催している、静岡県にある月光天文台の山内洋平さんに聞きました。

この記事のポイント

  • 手軽な星空観察①肉眼でOK。ベランダで星座を探してみよう
  • 手軽な星空観察②双眼鏡や天体望遠鏡を使って月のクレーターを見る
  • 手軽な星空観察③研究日記をつけて科学への興味を
  • 冬の星空観察。おすすめの星は
  • 2023年に注目したい天体イベント

手軽な星空観察①肉眼でOK。ベランダで星座を探してみよう

「星座早見AR」の使用画面。小中学校の理科の教科書に載っている星座の知識が深められる。

自宅の庭やベランダで、肉眼でもすぐに楽しめる星空観察。コンパスと星座早見盤を使えば、「今どんな星座が見られるのか」がわかります。スマホ用の天体観測アプリもたくさん登場しています。「星座早見AR」(教育出版)はスマホをかざすだけでその方位にある星座の名前が調べられるアプリ。「Moon Book」(Vixen)では、日時に合わせた月の位置や満ち欠けがわかります。

外で星を観察する時、気になるのが体の冷えです。温かい飲み物やブランケットを用意して、おうちキャンプ気分も楽しめるといいですね。

そして、向きによって見られる星は変わります。「南の空は華やかな星座が多く見つかります。北の空を見るのであれば、北極星や北斗七星を見つけてみましょう。まずはベランダや庭の方角を調べてみてください」(山内さん)。

手軽な星空観察②双眼鏡や天体望遠鏡を使って月のクレーターを見る

双眼鏡や天体望遠鏡があると、星空観察気分もぐっと盛り上がります。流星の動きを見たり野鳥の観測にも使ったりするのであれば、視野の広い双眼鏡。三脚に固定し、じっくり星を観察するなら天体望遠鏡がおすすめです。観察したい星にもよりますが、初めての双眼鏡や天体望遠鏡であれば、高価なものでなくても十分楽しめます。

天体望遠鏡と暗いところでも使えるLEDコンパス、ポケット星座早見盤。

本格的に見えてかっこいい天体望遠鏡ですが、ファインダーを調節して目的の星をとらえるのは、少々コツがいる作業。小学生が使うなら、操作や手入れが簡単な天体望遠鏡を選びましょう。小学校低学年の子どもであれば、大人のかたによるセッティングが必要になります。

「《屈折式》の天体望遠鏡なら事前の準備もなく、取り扱いも簡単です。月全体を観測するのであれば倍率が50倍程度の入門機で問題ありません。空の条件によっても観測結果は大きく変わります。月のクレーターの状態は70倍ぐらいから、条件がよければ100倍以下で土星の環が観測できるケースもあります。地球の自転によって星は動いていますし、風が吹いただけで天体望遠鏡の向きが変わると星を見失ってしまいます。三脚がしっかり安定していることも大事です」(山内さん)。

実際、天体望遠鏡に付属していた三脚を安定感のあるタイプに変更してみたところ、各段に使いやすくなりました。

手軽な星空観察③研究日記をつけて科学への興味を

(左)筆者の中学2年生の息子が天体望遠鏡とスマホで撮影した月。(右)「月の観察」研究日記の例。

せっかくの星空観察。記録や研究日記をつけると楽しい思い出になり、子どもの自由研究や調べ学習にすることもできます。

「月の満ち欠けを観測する場合、調査時間はバラバラでも毎日の変化がまとめやすいですね。1つの星座の位置を1か月同じ時間に調べて記録しても、少しずつずれていくことがわかって面白いと思います」(山内さん)。

観察によって星座の動きを導き出せたら、子どもの好奇心も広がりそうですね。月や惑星の観察日記に写真を貼りたい場合は、天体望遠鏡にスマホ用カメラアダプターを使うと便利。星座の位置を表現するなら、方眼紙などにスケッチすると位置がわかりやすいです。

冬の星空観察。おすすめの星は

「星座もよくわからない…」という全くの初心者の場合、どんな星から観測を始めたらいいのでしょうか。

「まずは最も近くにある月ですね。すぐに見つかるので、星空観測に慣れるのにぴったり。月のクレーターには名前が付いていて、毎日眺めても飽きないと思います。惑星では金星、木星、土星が明るく肉眼でも見つけられます。天体望遠鏡を使って観測しやすいのは木星と土星です。

冬の星座で見つけやすいのは南の空のオリオン座。特徴的な3つ星が並んでいますし、明るい1等星ベテルギウスとリゲルが輝いています。オリオン座を見つけたら、リゲル、シリウス、プロキオン、ポルックス、カペラ、アルデバランから成る《冬の大六角形(冬のダイヤモンド)》を見つけてみましょう。

星座がわかりにくい場合は、プラネタリウムで星座の解説を聞いてみても。月光天文台の星空観望会では、その日見られる星についてプラネタリウムで紹介しています」(山内さん)。

月光天文台の星空観望会にて、天体望遠鏡のレンズを筆者がスマホで撮影したオリオン大星雲(M42)。

2023年に注目したい天体イベント

最後に、2023年の見逃せない天体現象の一部を紹介します。

  • ・1月4日…しぶんぎ座流星群
  • ・4月20日…部分日食(九州南部など)
  • ・8月13・14日…ペルセウス座流星群
  • ・10月29日…部分月食
  • ・12月14・15日…ふたご座流星群

「特に、8月のペルセウス座流星群と12月のふたご座流星群は月明かりの影響が少ない好条件。この日は忘れずに夜空を見上げてみてください」(山内さん)

月光天文台では、天文現象がチェックできる美しい天体写真カレンダー「太陽・月・星のこよみ」を発売中。リビングに飾っておけば、大事な天体イベントも見逃さずに済みそうですね。

太陽・月・星のこよみ

まとめ & 実践 TIPS

「子どもにたくさんの星を見せてあげたい」と思いつつ、「家ではうまく見られないのでは」「寒い」と二の足を踏んでいるかたも多いと思います。アプリや天体望遠鏡を使えば、自宅でも手軽に星空観察を楽しむことができます。

冬は日が暮れるのが早い分、夏よりも長い時間星が輝いています。天気がよければ、暖かい服装で今夜空を見上げてみてください。

執筆/樋口かおる

月光天文台
静岡県田方郡函南町桑原1308-222
https://gekkou.or.jp/