最長11連休のゴールデンウィーク(GW)が終わった。ネットでは例年、新入社員が早々に退職したという話題で盛り上がる時期だ。

実際、ネットでは連休中日となる5月6日や連休終わりの10日に「新入社員1人が早々に辞めていた」「GW明け出勤せずそのまま退職」などの投稿を確認できた。

月をまたいでの連休なので、4月中に退職届を出しているケースもあるとみられるが、中には連休明け当日に退職届がメールで届き、そのまま来なくなったり、連絡もない「バックレ」だったりというケースもありそうだ。

退職代行サービスも運営している竹内瑞穂弁護士は、次のように話す。

「テレワークの進展や景気悪化への心配もあるのか、コロナ禍特有の事情による退職代行や新入社員の退職希望者は想定していたよりも増えていないように感じます。退職は労働者自身で行える手続きですから、退職代行を利用せず退職できるケースが増えているのかもしれません。

ただ、連絡なしの退職にはリスクがあるので注意してほしい」

●バックレはトラブルのもとに

法律上、雇用契約は「雇用の期間に定めがないときは、解約(=退職)の申入れから2週間が経過すると雇用契約が終了する」と定められている(有期雇用の場合は異なる)。そのため、会社の合意がなければ、2週間を経過するまで退職できないことがある。

「会社が同意しなかったとしても2週間たてば辞められます。ただ、会社が離職票を出してくれないなど、トラブルになるケースもあります」

中には、損害賠償を求めてくる会社もあるという。仮に裁判になっても、労働者側が負けるケースはほとんど見られないが、絶対に負けないと言い切ることはできず、心理的な負担になることは想像に難くない。

そもそも退職に合意していても、労働者と連絡がとれなくなると、会社側も困ったことになる。「即日退社」であっても、退職に伴う手続き自体は即日では終わらず、場合によっては1〜2カ月程度要することもあるという。

「退職は申し出たあとも、いろいろな手続きがあります。退職代行の仕事でも、会社との間ではさまざまな書類や確認を交わしているんです」

そのため可能であるなら、労働者も退職の手続にはしっかりと協力した方が良いという。

ただし、会社との接触が増えるため、負担感は増える。そのせいで辞められないということであれば、弁護士などに依頼することも選択肢として考えられるという。もちろん、「困ったこと」が起きてから相談することも可能だ。

なお、退職代行サービスについては、基本的に弁護士が提供するものでなければ、未払い残業代などについての交渉は「非弁行為」といって法的に認められていないので注意が必要だ。

【取材協力弁護士】
竹内 瑞穂(たけうち・みずほ)弁護士
大手企業内部の労働問題の解決だけでなく、自身の経験を活かし、弁護士による退職代行のパイオニアである小澤亜季子弁護士とともに退職・辞任に関する様々な問題の解決に尽力している。また、特許事務所での勤務経験から特許、商標などの知的財産権にも精通している。
事務所名:六本木法律事務所
事務所URL:https://mizuho-rlo.themedia.jp/