もはや「夏の風物詩」なのだろうか——。コンビニとみられる店舗のアイスケース内に入って写真撮影した画像がSNSで投稿され、話題となっている。

今回話題となった画像はインスタグラムに投稿されたもので、投稿者本人と思われる男性がアイスケースに上半身を入れている姿が写っている。さらに次の投稿で、アイスが大量に入ったビニール袋を持った男性の姿を映した写真もアップされていた。経緯は不明だが、弁償の意味合いでアイスケースにあった商品を自ら購入したことを示す意味があるのかもしれない。

今回の画像はツイッターなどでも拡散されており、多くの人が目にする事態となっている。 過去にも悪ふざけなどを撮影したものがSNSなどで投稿される事態は発生しており、「バカッター」「バカスタグラム」としてたびたび炎上。アイスケースに入る行為では逮捕者も出ている。

今回のケースも、何らかの罪に問われるようなことはあるのだろうか。小沢一仁弁護士に聞いた。

●たとえその場で買い物しても、「犯罪成立」の結論は変わらない

——今回のような行為は何か罪に問われることはあるのでしょうか。

建造物侵入罪(刑法130条)や威力業務妨害罪(刑法234条)、器物損壊罪(刑法261条)の成立が考えられます。

建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」、威力業務妨害罪は「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」、器物損壊罪は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。

建造物侵入罪によって保護しようとする利益(保護法益)は、一般に誰を立ち入らせるかの自由を保証することとされています。

店舗側は通常、入店しようとする人物がアイスケースに入る目的を持っているとわかれば、その入店を拒否するでしょう。そのため、店の管理者の意に反して立ち入ったものとして、建造物侵入罪が成立すると考えられます。仮に買い物をしたとしても、アイスケース内で撮影するとわかっていれば、店は入店を拒むと考えられますから結論は変わりません。

また、アイスケースに入る行為は、商品を棄損したり、アイスケースを汚したりしかねず、店の業務を妨害する危険がありますので、威力業務妨害罪や器物損壊罪が成立する可能性があります。

——民事責任についてはどうでしょうか。

無駄になった商品代金やケースの清掃費のほか、SNSで拡散されたことによる風評被害などによって店舗が被った損害を賠償する責任を負う可能性があります。仮にその場でアイスケース内の商品を購入していたとしても、ケース清掃費や風評被害などで発生する損害賠償責任は免れません。

【取材協力弁護士】
小沢 一仁(おざわ・かずひと)弁護士
2009年弁護士登録。2014年まで、主に倒産処理、企業法務、民事介入暴力を扱う法律事務所で研鑽を積む。現インテグラル法律事務所シニアパートナー。上記分野の他、労働、インターネット、男女問題等、多様な業務を扱う。
事務所名:インテグラル法律事務所
事務所URL:https://ozawa-lawyer.jp/