宗教2世問題を根絶するための当事者団体「宗教2世問題ネットワーク」が結成され、エホバの証人2世の団作さん、旧統一教会2世の山本サエコさん、高橋みゆきさん(いずれも仮名)が12月7日、東京都内で会見した。代表の団作さんが「個人で活動するのは限界を迎えつつある」などと設立の趣旨を説明、メンバーは主に20〜30代の11人だという。

国会で審議中の救済法案については実態と乖離しているとし、岸田文雄首相や全政党の議員らに修正を求める要望書を6日付で提出した。副代表の山本さんは「問題は山積しているが、この芽をつぶしてはならない。赤ちゃんみたいな法律、スモールステップでも徐々に広げていければ」と期待した。

●新法施行で終わりじゃない

要望書では具体的には▽SNSで発信されているものも含めた被害の実態調査▽全国霊感商法対策弁護士連絡会(以下、全国弁連)など有識者との連携ーなどを挙げ、与野党を越えた議論を求めた。

特に見直しのめどが「3年」とされている点は、「1年」にすべきだと主張。法テラス等に寄せられている被害実態を類型化することが必要だと訴えた。2〜3年では社会的関心が薄まるとの危機感がある上、1年ならば早期に検討部会ができるとの観測もある。今国会で成立する見通しだが「新法施行のみをもって被害者の救済がなされたと判断しないでほしい」と記した。

●これからの子どもたちのために

消費者庁の職員や一部の議員と6日に面会し、直接要望書を渡したといい、山本さんは「救済に関しては、与野党の垣根はないと強く感じました。政治、行政、国民が議論を深めていくことが必要です」と話した。

救済法は、過去の被害に関しては遡及されない。苦悩しながら幼少期を過ごしてきた3人にとって、今後もう被害者を生みたくないとの思いは強い。

「私たちは既に大人になってしまいましたが、2世問題は子どもの権利と健やかな成長をどうやって守るかということです」(団作さん)

「30年以上前に青春を返せ訴訟などがありました。ただ、抜本的な解決ができなかったから、今問題が生じています。私たちのところで何とか食い止めたい」(山本さん)

高橋さんは「当事者自身が直接被害を吐き出したいし、法案にも意見をしたい。一緒につくっていきたい。事後対応でなく、未然防止すべきです」と強調した。

ネットワークは全国弁連の阿部克臣弁護士が監事を務める。ツイッター@shukyo2sei_netのほか、ホームページを開設する。メールoyagacha.tot@gmail.com