3児の母で「ベストマザー賞」を受賞した女優の広末涼子さんが、既婚者でレストラン「sio」のオーナーシェフ・鳥羽周作さんとW不倫関係にあると文春オンラインが6月7日に報じた。同誌の取材に対して、2人は不倫関係を否定したという。

広末さんの所属事務所は同日、公式サイトでコメントを発表した。「本人に対して責任を持って行動するように厳重注意をしております」としている。

一般的に、W不倫の場合に問題となるのが慰謝料だ。離婚に踏み切る場合は、どうなるのだろうか。澤藤亮介弁護士に聞いた。

●W不倫、慰謝料は「離婚するか、しないか」で変わる

ーー一般的に、W不倫の慰謝料はどのようになるのでしょうか。

不倫の慰謝料請求では、不倫した当事者の配偶者が、その配偶者と不倫相手の双方に対して、慰謝料を請求することができます。

W不倫の場合には、相手が独身者の場合とは異なり、不倫をされた被害者が2人存在するため、展開がやや複雑になります。被害者とは、不倫をした当事者2人の、それぞれの配偶者のことですが、この2人は次のように慰謝料請求権を行使することができます。

(1)夫(A男)に不倫された妻(B子):夫(A男)と不倫相手(C子)に慰謝料請求

(2)妻(C子)に不倫された夫(D男):妻(C子)と不倫相手(A男)に慰謝料請求

ただ、これは原則であり、実際にどのような請求をするのか、請求額はそれぞれ違います。ポイントは「離婚するのか、しないのか」です。

配偶者の不倫をきっかけに離婚に至った場合は、配偶者とその不倫相手、双方に対して慰謝料を請求する形になることが多いと思われます。

不倫慰謝料の相場は大体「50〜200万円」です。離婚しない場合は、する場合に比べ、この金額は低くなるのが通常です。離婚しない場合には、配偶者に対して慰謝料請求をすることは権利としてあっても、実際に行使することは少ないのではないでしょうか。離婚しない場合には、不倫相手のみに請求することが大半かと思われます。

【取材協力弁護士】
澤藤 亮介(さわふじ・りょうすけ)弁護士
東京弁護士会所属。離婚、男女問題などを中心に取り扱う。自身がiPhoneなどのデバイスが好きなこともあり、ITをフル活用し業務の効率化を図っている。日経BP社『iPadで行こう!』などにも寄稿。
事務所名:東京キーウェスト法律事務所
事務所URL:https://www.keywest-law.com