日本最大級のカスタムの祭典YOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホットロッド・カスタムショー)が2年ぶりに開催されます。今回は主催のムーンアイズ代表のShige菅沼氏とショーディレクターの角“PAN”正和氏にショーについて話しを伺ってみました。

これまでとは違った形で開催される2021年のYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響から様々なイベントが中止、もしくは延期となった2020年ですが、「Withコロナ」の生活様式が浸透し、感染者数も落ち着いた今年は多くのイベントが再開されている様子です。

 ホットロッドやマッスルカー、そして二輪のチョッパーやカスタム・バイクが一堂に会する我が国最大の「アメリカン・カスタムカルチャーの祭典」であるYOKOHAMA HOT ROD CUSTOM SHOW(ヨコハマ・ホット ロッド・カスタムショー※以下HCS)も2021年12月5日(日)に神奈川県横浜市にあるパシフィコ横浜での開催が決定したのですが、今年は新型コロナの影響により海外からのゲスト招聘もなく、例年とは少し変わったものになるとのこと。

 ここではYOKOHAMA HSC直前インタビューの後編として、その「コロナ禍でのショー」がどのようなフォーマットに変わるのか、今年だからこそ可能となった新たな試みについて主催のムーンアイズ代表、Shige菅沼氏とショーディレクターの角“PAN”正和氏に様々な話を伺ってみました。(聞き手:渡辺まこと)

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──ショーディレクターの角さんとしては例年と比較して今年のホットロッドカスタムショーはどうですか? 色々と状況が違うので準備も大変だとは思いますが……。

 去年、開催を見送って1年間スパンが開いてしまった影響はあまり感じていないです。ただ、今年の10月に(新型コロナの)状況が良くなったということを、じつは身をもって体感してまして……いつもだったら8月からフルでショーの準備に取り掛かるんですけど、8月や9月の中旬頃までは新型コロナの感染者数も劇的に増えている状況だったので、「これからどうなるんだろう」って静観していたのが正直なところでして。なのでイベント準備もまったく手をつけていない状態だったんですよ。それが10月に入って感染者も減り、緊急事態宣言も解除され、入場者制限も無くなり、といった感じで風向きが変わってきて……。

角“PAN”正和 2006年にムーンアイズに入社し、広報を担当。2012年よりYOKOHAMAホットロッドショーのショー・ディレクターに就任し、以来、日本のアメリカン・カスタム・カルチャーの発展に尽力する。今回のBMWモトラッド×ムーンアイズのコラボレーションの仕掛け人的存在で、HCSではショーのレイアウトや企画、準備や当日の運営など多岐に渡る活躍を見せる人物です

 例年では8月、9月に準備していたことが一気に10月にシワ寄せが来てしまっています(苦笑)。たとえば例年だと前売りチケットも10月初旬に発売開始していたものが今年は11月初旬に変更となったり。準備が追いつくのかどうかというのが正直、今年はキツイですね。2019年と比べたら準備業務が1.5倍くらいまでボリュームが増えている感覚です。今年は例年のテンプレートどおりではなく、新型コロナ対策を踏まえた準備なので。今までのHCSではなく新たなショーイベントの準備をしているような感覚です。気持ち的な余裕はなくて今年は今までで一番キツイかな(苦笑)って。

──まぁ、ショーのフォーマット自体が変わってしまいますからね。たとえば今までだと海外からのゲストによるライドインでの入場があって、そのゲストたちの挨拶があり、メインの通路の横にゲストたちのブースがあり……そういうレイアウトもすべて変わってしまいますからね。

 なので準備を始めてから2週間くらいは自宅に帰っても「ショーのレイアウトをどうするか」という部分で考えイメージを繰り返していました。でも、その中で今年は「アレはありません」「コレは例年どおり出来ません」というものばかりのショーにはしたくありませんでした。これまでのHCSのイメージを残しつつ、何か新しいコト、楽しい企画を入れ込みたいと考えていました。ライドインも含めて、協賛してくださったメーカーさんに「今年しか出来ないですよ」ってお伝えしてご協力を仰いだり。新しいことは何かしたいと常に思っていました。たとえば地元、横浜の崎陽軒さんとホットロッドショーのコラボのお弁当を企画したり、協賛してくださったBMW Motorradさんやハーレーダビッドソンジャパンさんの車両を2019年のBest of Show Award 車両と一緒にオープニングのライドインで走らせることなど企画しています。

Shige菅沼 1955年生まれ。青年期からアメリカン・カスタム・カルチャーに魅了され、1983年に渡米した際、アメリカのムーンアイズを訪れたことが縁となり、個人で“ムーンディスク”の輸入販売を開始。その流れから1986年に“ムーン・オブ・ジャパン”を設立。1987年にムーンアイズの創業者であるディーン・ムーン氏が他界し、後を受け継いだシャーリー夫人が'90年に亡くなってからUSAを含めたすべてのムーンアイズの業務を引き継ぐ。1992年よりYOKOHAMAホットロッド・カスタムショーを主催し、2002年からは同ショーでモーターサイクル部門もスタート。日本のアメリカン・カスタム・カルチャーをまさに黎明期から牽引する人物です

Shige 今年は崎陽軒さんのブース付近に食事が出来るイートインスペースを設けたりといったことも今年だから、やりやすかった試みですよね。

 コロナ禍で色々と制約がありますけど、その中で何か新しいことがなるべく出来ればと考えています。それで来場したお客様が喜んで頂けたらと。あとパシフィコ横浜のコンコース前では全面禁煙となっているので、今年はJTさんがパシフィコの会場裏手にサンプリングを兼ねた喫煙ブースを用意してくださっているのも新たな試みのひとつです。もちろん、入場口での検温や手指の消毒、来場者の皆さんの住所、連絡先の記帳も必須になりますし、騒音の問題から継続してバイクやクルマでの来場は禁止となるのですが、様々な部分に留意して今年もショー開催の準備を進めている次第です。

1992年に第1回が開催されたYOKOHAMA HCSは本来なら今年が30周年のアニバーサリー・イヤー。しかし、ムーンアイズ曰く世界の人々と記念すべき年を祝う為、コロナが収束した後に記念ショーを開催するとのこと。今年はあくまでも“プレ30周年”です

Shige こんなご時世ではありますが、ショーの空間をそれぞれの方が楽しんで頂けたら嬉しいですね。コロナ禍がまだ完全に収束していない状態で「皆さん是非、ご来場ください」的なことは言いづらいのですが、来場した方たちが少しでも楽しんで頂けたら何よりです。

 今年も多くの協賛を頂いているのですが、BMW Motorradさんとムーンアイズのプロジェクト バイク、当日のWildman のピンストライプデモンストレーションもショーの見どころの一つですね。今までBMWさんは出展されていたのですが、企画をご一緒するのは初めてとなります。ショーオープニングでライドインする予定ですので、そちらも是非、皆さんお楽しみにお待ちください。

インタビュー後編は雑誌やウェブなどの媒体ピックやゲスト・ピックによる2019HCSのカスタムバイクをご紹介。まずは僭越ながら筆者である私、渡辺まことのウェブ媒体、チョッパージャーナルピックからで宮城県のセブンモーターサイクルのパンヘッドチョッパー。この車両はゲストのHawke Lawshe' / Vintage Technologies' やイタリアの雑誌、Low Ride Magazine、ドイツのパーツディストロビューター、W&Wも選択。トータルで4つのクレート(アワードの盾)を受賞です

──でも2年ぶりのヨコハマ・ホットロッドショーなので我々も素直に楽しみですね。

Shige ああいうアメリカン・モーターカルチャーの世界が一堂に会するショーというのも改めて考えてみれば他にありませんからね。老若男女、年齢も性別も関係なくご家族でも楽しめる雰囲気というか。やはりコロナ禍という状況でも安全に気を使いつつもショーの空間は出来るだけ良いものにしたいですね。