高速道路の2人乗り禁止撤廃や違法駐車の規定があるのに、駐車場は整備の対象からは除外されていた駐車場法の矛盾を、過去の政治は解決してきました。バイクの周辺には、独自の規制や不合理さが今も根強く残っています。2022年の参議院議員選挙、ライダーに寄り添う候補者を探してみました。

憲政史上初、オークション会場で第一声

 衆議院議員選挙は選挙区が細かく分かれているので、地元をスクーターに乗って訴える候補者は少なくありません。しかし、参議院議員選挙の場合、選挙区制で全国45区、比例代表制では全国1区しかなく、バイクの出番なし。そこで立候補届出後の立候補者の第一声に注目してみました。これが演説以上に雄弁でした。

日本最大規模のバイク・オークション会場で演説をする石井あきら氏(写真提供/ビーディエス)
日本最大規模のバイク・オークション会場で演説をする石井あきら氏(写真提供/ビーディエス)

 比例代表の石井あきら氏(日本維新の会)。再選に向けた第一声は、千葉県柏市にある日本最大規模のバイク・オークション会場でした。オークション会場で演説をした政治家は前代未聞。そこには全国の有権者に訴えなければならない比例代表候補者の巧みな戦術がありました。

 会場を提供したオークション事業者「ビーディーエス」の担当者は、こう話します。

「びっくりしましたね。国会議員がオークション会場で決意表明をされるなんて。でも、時代を反映していると思いました」

 古物商許可証などを持つプロ限定のオークション。通常は競りにかけられるバイクが並ぶステージに、石井氏が立ちます。階段状に机と椅子が並ぶ会場は、さながら大学の大講堂。しかし、候補者の目の前で競りに参加する会員で満席になっているわけではありませんが、それは聴衆の一部。

「当社のオークションは、来場する会員以外にも、インターネットで接続している会員が2000人から3000人います。競りが実施される直前ですから、モニターの前にはこうした人たちがいました」

 目の前に迫る政治課題は多く、バイクに関連する問題は後手になりがちですが、石井氏は経済産業の分野からバイク関連の課題を積極的に取り上げてきました。安部、岸田首相への質問2回、世耕、梶山、萩生田経済産業相への質問を5回。バイク国内100万の復権を目指し省庁を集めた議論の必要性や、世界のバイク愛好者が集まるワールド・バイク・ラブ・フォーラムを大阪万博でという独自の視点で、ライダーの地位向上や業界振興策を目指してきました。

横浜中華街で、女性ライダーの応援を受ける

 神奈川選挙区候補者として3期目の当選を目指す三原じゅん子氏(自民党)は、横浜スタジアム近くで女性ライダーの応援を受けました。

横浜スタジアム近くで女性ライダーの応援を受ける三原じゅん子氏(撮影/中島みなみ)
横浜スタジアム近くで女性ライダーの応援を受ける三原じゅん子氏(撮影/中島みなみ)

 2022年、自民党二輪車問題対策プロジェクトチーム座長に就任。モータースポーツのチーム監督経験を持つ三原氏は四輪車だけでなく、バイクにも高い関心があり、座長就任前は同党オートバイ議員連盟の事務局長でした。高速道路の二輪車料金問題をはじめバイク環境課題の改善を働きかけてきました。演説でもこう話しました。

「バイクにはニッポンの名前ばかりが付いている。そう考えるともっと発展していかなければならない」

 横浜スタジアム近くの路上での第一声、排気量が違うスクーターや大型バイクが街宣車の前後に並びました。演説の最後に三原氏は女性ライダーに語りかけています。

「レディースバイカーがいつも応援してくれることには感謝している」

 参議院議員選挙は7月10日投開票。まだ選挙戦は中盤です。