古いバイクの販売スペックでよく目にするのが「レストア済み」という文字ですが、愛車を自身でレストアするという人もいるでしょう。そんな、「レストア」という言葉はどういった意味や状態のバイクを表すのでしょうか。
オーバーホールとは違う!?レストアの意味とは
古いバイクの販売スペックでよく目にするのがレストアという文字。購入以外でも愛車をレストアするという言葉で使われたりします。
そんなレストアという言葉はどういった意味や状態なのでしょうか。またレストアに関してはトラブルを耳にすることがありますが、その内容や問題点についても紹介します。
バイクだけでなく、クルマも含めて旧車でよく目にするのが、レストアという言葉。販売車両であれば「レストア済み」。バイクが古くなってきたら「今度、レストアをする」などという形で使われる言葉です。
そんなレストアはレストレーションを略にしたもので、「元に戻す」という意味の言葉。ちなみにレストランのレストも同様で、空腹を元に戻すということに由来しています。
つまり新車の状態に戻してやるのがレストアということ。同じような意味の言葉でオーバーホールがありますが、こちらは機能部分を元に戻すという意味が強い印象。ただ、厳密な使い分けはなく、意味的には重複している場合も見受けられる言葉です。
レストアで実際に行なう作業とは?
レストアは元に戻すという意味なので、車体全体で言えば、可能な限り新品パーツを使用して、手に入らないものはオーバーホールして機能を元に戻すだけでなく、見た目もできるだけ新品同様にしていきます。
たとえば塗装は剥離してサビを落とすか、状態に問題がなければ現在の塗装を下地として整えて再塗装したり、メッキパーツも再メッキをかけたりして復活させます。この際、仕上がりにこだわる場合は塗装の色味であったり、メッキの風合いは新車時と同じになるようにしていきます。
エンジンやミッションはもちろんすべて分解。汚れはサンドブラストをかけたり、洗浄剤で洗って完全に除去。こちらも不具合がある部分は可能な限り新品を使用したり、ない場合は加工や新規制作をして対応します。
電気系も同様で新品が手に入らなければ引き直しをしたりします。
そんな、古いバイクをベースに新車のような状態を目指すのがレストアですが、レストアでのトラブルを耳にする事も度々あると思います。
その多くは、レストア済み車ということで買ったのに、調子が悪いというもの。パッと見はきれいなので信じ込んでしまいますが、実際は見えるところだけきれいにしただけという悪質な車両も多々売られているのが現実。
詐欺行為のように思えますが、そもそもレストアという定義があいまいで、なかにはプチレストアやセミレストアという言葉があるほど。完全なレベルではなくても、レストアとして販売されている事も多くあります。
このあたりに販売者と購入者の意識のズレが出てしまったり、なかには騙して売るという例も発生したりする訳です。
そもそもレストアというのは非常に手間と時間がかかるもので、パーツについてもデッドストックを使ったりするなど、実費もかかります。
トラブルを防止するためには、車体価格とレストア費用を比較することが大切で、安いのにレストア車というのはありえないということは頭に入れておきましょう。
レストア車をトラブルなく購入するためには、内容の確認を怠らないようにするのもトラブル回避のコツで、購入する店で作業した車両なら、作業中の写真を確認させてもらうなども有効。
ざっとした計算ですが、1日8時間作業して20日かかったとして、160時間。時間工賃8000円と安めに見積もっても、工賃だけで160万円になります。これにベースとなる車体代、部品代、外注加工代がブラスされるので、総額は推して知るべし。
また、愛車をレストアしてもらう際も、費用だけ払って実際にやっていなかったということはあり得るので、しっかりとした見積もりとショップや業者選びも大切。有名だから信頼ができるとは必ずしも言えないので、注意してください。