バイクに長く乗り続けるためには、エンジンオイルを定期的に交換する必要があります。しかし、交換後のエンジンオイルが余ってしまい、残りは保管しておくことになるケースも少なくありません。では、保管していたエンジンオイルは劣化してしまうことはあるのでしょうか。

余って保管していたエンジンオイルは劣化する?

 エンジンオイルはバイクの心臓部であるエンジンを保護し、潤滑、冷却、清浄など多岐にわたる重要な役割を果たしています。つまりバイクのエンジンの性能を最大限に引き出すためには、このエンジンオイルを定期的に交換する必要があるということ。しかし、交換後のエンジンオイルが余ってしまうケースも少なくありません。

 では、保管していたエンジンオイルは劣化してしまうことはあるのでしょうか。

余ったエンジンオイルは自宅での保管が可能
余ったエンジンオイルは自宅での保管が可能

 余ったエンジンオイルは自宅での保管が可能です。ただし、適切な保管条件を守らないとオイルが劣化する恐れは否めません。エンジンオイルの劣化の主な原因は、空気中の酸素と触れることによる酸化、もしくは湿気による水分混入です。

 ペール缶などの容器に保管されているエンジンオイルは、温度変化による結露が原因で水分が混入し、劣化を加速させる事もあります。そして、劣化したエンジンオイルを使用すると、エンジン内部の潤滑性能が低下し、部品の摩耗や燃費の悪化などの原因になりかねません。

 また、最終的にはエンジンの故障や寿命の短縮につながる可能性もあるので、オイルが劣化していないかは十分に確認したいところです。

 ちなみにオイル交換は一般的には3000kmから5000kmごと、または6か月から12か月が目安とされていますが、使用環境や車種によって適切な交換時期は異なります。

交換時に余ったエンジンオイルは、状態を定期的にチェックし、色や粘度、油膜の状態を確認することで、劣化の程度を把握することが可能
交換時に余ったエンジンオイルは、状態を定期的にチェックし、色や粘度、油膜の状態を確認することで、劣化の程度を把握することが可能

 そんな交換時に余ったエンジンオイルは、状態を定期的にチェックし、色や粘度、油膜の状態を確認することで、劣化の程度を把握することが可能です。

 エンジンオイルを長持ちさせるコツは、適切な条件で保管すること。エンジンオイルを保管する際は、寒暖差の激しい場所や直射日光が当たる場所、湿度が高い場所は避け、常に冷暗所で密閉して保管しましょう。

 また一般的にエンジンオイルのメーカーは、開封後は早めの使用を、未開封であれば製造から5年程度を使用期限として推奨しています。しかし、この期間内であっても保管状態によっては劣化が進むことがあるので、購入時期や保管条件を確認し、定期的に状態をチェックすることが大切です。

 開封済みのエンジンオイルを保管する場合は、容器のフタをしっかりと閉め、空気との接触を最小限に抑えましょう。また、余ったオイルの量が少ないのであれば、小さな容器に移し替えて、空気中の水分や酸素から受ける影響を少なくして酸化を遅らせるのもひとつの手。

 なお、エンジンオイルは消防法で規制が設けられている可燃性液体に該当しますが、一般家庭で少量のエンジンオイルを保管する場合は、規制の対象外となるため問題ありません。

より効率的にエンジンオイルを購入したいなら、量り売りを利用すると良い
より効率的にエンジンオイルを購入したいなら、量り売りを利用すると良い

 とはいえ、エンジンオイルを余らせないという考えも重要で、たとえばエンジンオイルを購入する前にバイクの取扱説明書を確認し、推奨されるオイルの種類と必要量を把握しておきます。

 車種によって必要なオイル量は異なるため、正確な量を知ることで、余分なオイルを購入することなく必要な分だけを手に入れることができます。また、より効率的にエンジンオイルを購入したいなら、量り売りを利用すると良いでしょう。

 量り売りとは、必要な量だけエンジンオイルを購入できるサービスのこと。量り売りの最大のメリットは、自分のバイクにぴったりの量だけオイルを購入できることにあります。そうする事で余ったオイルを保管する必要がなくなり、保管スペースの節約やオイルが劣化するリスクを減らせます。

 加えて、量り売りは経済的なメリットも大。一般に市販されているパッケージ商品は特定の量でしか販売されていませんが、量り売りは購入する量を自由に選べるため無駄なく購入でき、結果的にコストを節約することができます。

 また、余分なオイルの消費を減らすことは廃油の量を減らし、環境負荷の軽減にもつながるので、量り売りは環境への配慮という観点からもおすすめです。