タイヤの空気圧チェックや補充で触れる「エアバルブ」。最近は少しずつ「横向きエアバルブ」が増え、メンテナンスしやすくなって嬉しい限りです。しかしメリットはそれだけではありません!

「ストレート型」だと、メンテしにくい?

 タイヤの空気圧は、操縦性や乗り心地に大きく影響することはもちろん、空気圧が適正でないとタイヤが減りやすくなったり燃費が悪化したりもします。そのため、できるだけ頻繁に空気圧をチェックすることがオススメです。

従来からの「ストレート型」のエアバルブ。前輪がダブルディスクだと空気圧のチェックや補充が、少々やりにくいかも……
従来からの「ストレート型」のエアバルブ。前輪がダブルディスクだと空気圧のチェックや補充が、少々やりにくいかも……

 その際、従来からの「ストレート型」のエアバルブの場合、空気圧ゲージをあてがったり空気ポンプの口金を差し込むのが少々やりにくいと感じることもあります。

 とくに前輪のブレーキがダブルディスクの場合は、ガソリンスタンドに備わる4輪車向けの空気入れだとディスクローターが邪魔になって使えない場合もあります。また、走行直後だとディスクに触れてヤケドする危険もあります。

 ところが、近年は外国車や国産のツアラーモデル、スポーツ系のバイクに、徐々に「横向きエアバルブ」が装備されるようになってきました。この形状であればガソリンスタンドの4輪車向けの空気入れでも、簡単に空気を入れることができるので大変便利です。

エアバルブは、消耗品!?

横向きエアバルブ。写真はカワサキ「Ninja H2 SX」の前輪
横向きエアバルブ。写真はカワサキ「Ninja H2 SX」の前輪

「でも、愛車はストレート型のエアバルブだし……」というライダーも多いことでしょう。近年ではアフターパーツでも横向きエアバルブが数多く販売されていて、価格も2000円以下程度と、比較的安価です。

 じつは、タイヤのエアバルブは「消耗品」です。本体部分がゴム製だと徐々に劣化し、ヒビ割れして空気漏れを起こすことは少なくありません。また本体が金属製の場合でも、ホイールと接する部分はゴム製のOリングが入っており、やはり長期の使用ではOリングが傷みます。

 エアバルブはタイヤを外さないと交換できませんが、タイヤ交換と同時に作業してもらえば、工賃もそれほどかかりません。

横向きエアバルブは、高速走行も安心

 横向きエアバルブはメンテナンスに便利ですが、メリットはそれだけではありません。(ストレート型も横向きも)エアバルブは「バルブコア」と呼ぶ小さな弁を内蔵しています。このバルブコアは、ポンプ等で空気を入れる時には開き、それ以外はスプリングの力とタイヤ内の空気圧で閉じて、空気が漏れないようにしています。

エアバルブに内蔵されるバルブコア(通称:ムシ)
エアバルブに内蔵されるバルブコア(通称:ムシ)

 ところが、近年の大パワーのスポーツ車は高速性能が著しくアップしているため、高速走行するとタイヤも超高回転になります。すると従来のストレート型のエアバルブの場合、バルブコアの中の弁が遠心力によって外周方向に動いて開き、タイヤの空気が少しずつ抜けていく可能性があります(あくまでもかなりの高速走行時での話)。

 しかしエアバルブを横方向に寝かせてしまえば、バルブコアが遠心力で開く動きを大幅に抑えることができます。横向きエアバルブが大排気量の高速ツアラーやスーパースポーツ系などから採用が始まったのは、こういった理由もあります。

必ずキャップを装着すること!

 ストレート型エアバルブでの超高速走行はともかく、何らかの理由でバルブコアから空気が漏れてしまう可能性はゼロではありません。もしバルブコアが緩んだり劣化していたら、横向きエアバルでも空気漏れしてしまいます。それを防いでくれるのが、エアバルブのキャップです。

エアバルブのキャップ
エアバルブのキャップ

 純正パーツはシンプルな樹脂製が多いですが、内側はバルブコアが緩みにくく空気が漏れにくい形状になっており、じつはかなり大切なパーツです。たまにキャップが付いていないバイクを見かけますが、必ず装着するようにしましょう。

 またエアバルブのキャップもアフターパーツが多数リリースされています。紛失したり、装着していても樹脂が劣化している場合もあるので、ドレスアップを兼ねて交換するのもアリでしょう。