【2台でGO!!】エンジンだけでは語れない? スズキ「Vストローム250」と「Vストローム250SX」の魅力とは

バイクのニュース6/20(金)13:55

スズキがラインナップする排気量250ccクラスの人気モデル「V-Strom250」と「V-STROM250SX」は、同じ「Vストローム」シリーズの仲間で見た目も似ているように思えますが、実際にいろいろなシーンで走って比較すると、各車各様の特徴が見えてきました。

判断材料は「価格差」ではない?

 この企画の目的は、類似点が存在する同じメーカーの2機種を同じ条件で比較して、各車の個性を明らかにすることです。今回の素材はスズキの250ccアドベンチャーツアラーで、セミダブルクレードルフレームに水冷並列2気筒エンジンを搭載する「V-Strom250」は舗装路がメイン、ダイヤモンドフレームに油冷単気筒エンジンを搭載する「V-STROM250SX」はオフロードを考慮したモデルです。

スズキ「V-STROM250SX」に試乗する筆者(中村友彦)。「V-Strom250」と同条件で比較して各車の魅力を考察する。もちろん未舗装路の林道も比較ステージのひとつ
スズキ「V-STROM250SX」に試乗する筆者(中村友彦)。「V-Strom250」と同条件で比較して各車の魅力を考察する。もちろん未舗装路の林道も比較ステージのひとつ

 なお、2台の販売価格(消費税10%込み)は「Vストローム250」が66万8800円で「Vストローム250SX」は59万1800円ですが、実際にどちらかの購入を検討する際に、価格差を主な判断材料にする人はほとんどいないでしょう。

 逆に言うなら、すでにいずれかのオーナーになっているライダーの多くは、車重やシート高、タイヤサイズ、悪路走破性などを考慮して愛車を選択したと思います。

 以下ではそのあたりを念頭に置きつつ、市街地、高速道路、ワインディングロード、未舗装路を走っての印象を紹介します。

軽快さが魅力の「Vストローム250SX」

 まずは市街地の話から始めると、交通量とゴー&ストップが多い場面での印象は乗り手によって異なりそうです。

 小柄なライダーやスリヌケ的な走りに否定的なライダーは、車重191kgの着座位置(シート高800mm)が低くて安定感が抜群の「Vストローム250」が気に入るハズですが、身長が170cm以上でアグレッシブな走りをしたいライダーの場合は、車重164kgの着座位置(シート高835mm)が高くてハンドリングが軽快な「Vストローム250SX」に好感を抱くでしょう。

 ところで市街地を走っている最中、各車の寸法を思い出した私(筆者:中村友彦)は、不思議な感覚に囚われました。

 と言うのも、軸間距離・キャスター角・前輪に注目すると、1440mm・27度・19インチの「Vストローム250SX」より、1425mm・25度10分・17インチの「Vストローム250」の方が軽快? という気がするのですが、実際のハンドリングは「Vストローム250SX」の方が軽快なのです。

 その原因は車重やライダー込みの重心の高さ、エンジンの軽さ、コンパクトさ、幅の狭さなどで、2台のハンドリングの違いを認識した私は、やっぱり部分的な数字だけでは、バイクの乗り味は語れないと思いました。

高速巡航が快適な「Vストローム250」

 続いて走った高速道路で意外だったのは、防風性能に大差があることでした。各車各様のヘッドライトはさておき、2台のスクリーン+フェアリングは、パッと見では同様の形状と思えるのですが、上半身に当たる走行風は明らかに「Vストローム250」の方が少ないのです。

 このあたりは設計思想の違いで、おそらく「Vストローム250SX」のスクリーン+フェアリングは、高速道路での快適性よりも、軽快感や運動性を重視してデザインされているのでしょう。

 もっとも、スクリーン+フェアリングを装備しない一般的なトレールバイクと比較するなら、「Vストローム250SX」の高速巡航は十分快適です。

峠道と未舗装路で感じた相違点

 ここからは峠道の話で、市街地と同じく、この場面での印象も乗り手次第です。

 まずコーナーを攻めること、頭と身体を使ったスポーツライディングが大好きなライダーは、「Vストローム250SX」に軍配を上げたくなるでしょう。

 その理由としては、前述した車重とハンドリングの軽さもあるのですが、右手の操作に対するエンジンの反応が良好で、リアのホイールトラベルが143.7mmと長いため、車体姿勢の変化が起こしやすいことも「Vストローム250SX」ならではの魅力です。

 ちなみに「Vストローム250」の数値は非公表ですが、おそらく120mm前後だと思われます。

従順で優しい特性の「V-Strom250」なら、周囲の景色を楽しみながら目的地を目指す、まさにツーリングの相棒的な使い方がうってつけ
従順で優しい特性の「V-Strom250」なら、周囲の景色を楽しみながら目的地を目指す、まさにツーリングの相棒的な使い方がうってつけ

 そしてそういった資質を実感した後に「Vストローム250」に乗り換えた私は、すべての挙動が穏やかで、どんな走りをしても高揚感が沸いて来ないことに微妙な物足りなさを感じましたが、しばらく走っているうちに、周囲の景色を楽しむことや、目的地に安全に到着することを第一義とするなら、「Vストローム250」の従順で優しい特性は正解じゃないか? ……と思えてきたのです。

 なお、最後に走った未舗装の林道で意外だったのは、「Vストローム250」の悪路走破性です。オンロード指向の車体構成を考えると無理はできないのですが、軽トラが走れるレベルのダートなら余裕で通過できました。

 その一方で、「Vストローム250SX」の悪路走破性は事前に予想していた通り、なかなか良好でした。と言っても、前後ホイールトラベルが200mm以上で、21インチのフロントタイヤを履く本格的なトレールバイク、ホンダ「CRF250L」シリーズやカワサキ「KLX230」シリーズなどのように、ガレ場をスイスイ走れるわけではありません。

 ただし、走行ペースを適度に落とせば「Vストロ―ム250SX」はかなりの難所もクリアできそうです。

快適性を重視するか、運動性にこだわるか

 さて、ここまで読んでいただければ分かるように、同じメーカーが販売する同系車両でも、「Vストローム250」と「Vストローム250SX」の乗り味はベツモノです。

 そして前述したように、この2台のどちらかを購入する際は車重やシート高、タイヤサイズなどが主な判断材料で、オフロードをどのくらい重視するかもポイントになるのですが……。

 そういった数値や資質はさておき、今回の試乗を通して私は、快適性を重視するライダーには「Vストローム250」、運動性にこだわるライダーには「Vストローム250SX」が向いていると感じました。

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6/23(月) 18:00更新

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