荒れ放題の「トランプ公園」、大統領選前に地価水増し申告の可能性も

(ブルームバーグ): 今から約20年前、ドナルド・トランプ氏は新たなゴルフコース用地として、ニューヨーク州の土地436エーカー(約176ヘクタール)を購入した。1998年当時、州道から何マイルも離れ、草木が生い茂った湿地の区画は、トランプタワーで寝室2部屋のコンドミニアムを現在購入するよりも安かった。

  だが地元の自治体はゴルフコース開発計画を却下。その後、住宅建設会社に売却する取り組みも失敗したため、トランプ氏は土地を州に寄付するに至った。「私なりの地域社会への還元だ」と、トランプ氏は当時説明した。

  だがこれは、トランプ氏が関わった案件の大半と同じく、善意のみで実現したわけではない。ブルームバーグが閲覧した文書や複数の関係者の話によると、何の使い道もないと専門家が指摘したこの土地を手放す前、トランプ氏は地価を実際の5倍以上に再査定できないか自治体の関係者らに働きかけていた。さらにその後の大統領選の資料ではその査定価値を大きくつり上げ、自らの慈善活動の規模をかさ上げしていた。

  大統領選の資料に含まれていた慈善寄付のリストでは、その地価は2610万ドル(約28億3000万円)だとされている。実際の購入価格は275万ドル、郡の査定額は550万ドルにすぎなかった。寄付のリストは米紙ワシントン・ポストが報じた。

  トランプ氏は過去の納税申告書を公表していないため、不正行為があったかどうかは判断できない。選挙戦の報道発表資料で保有財産の価値つり上げを禁じる法律も存在しない。しかし納税者は控除目的で申告する慈善寄付については価値を正しく申告するよう法律で定められており、納税申告書でこの土地の価値を過大申告していた場合は、内国歳入庁(IRS)の刑罰、もしくは罰金の対象となり得る。

  この土地は「ドナルド・J・トランプ州立公園」に変わった。公園とはいえ2010年以降は州も維持管理をしなくなり、遊歩道もピクニック用のテーブルもない。 いばらと泥と岩で覆われた土地にすぎない。ニューヨーク州議会は現在、フォークシンガーのピート・シーガー氏(故人)に敬意を表すべく、シーガー氏にちなんだ名に公園名を変更する法案を審議している。

©2019 Bloomberg L.P.


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