物価勢い失えば躊躇なく追加緩和検討、主要中銀政策も注視−日銀総裁

物価勢い失えば躊躇なく追加緩和検討、主要中銀政策も注視−日銀総裁

(ブルームバーグ): 日本銀行の黒田東彦総裁は20日、金融政策決定会合後の定例記者会見で、世界経済の下方リスクが強まっていると指摘し、欧米など主要国の金融政策の影響も注視しながら、物価目標へのモメンタムが損なわれるような状況になれば、「躊躇(ちゅうちょ)なく追加緩和を検討していく」との見解を示した。

  黒田総裁は、追加緩和の手段としては、短期政策金利の引き下げ、長期金利目標の引き下げ、資産買い入れ拡大、マネタリーベース拡大ベースの引き上げなどさまざまな手段があるとし、「組み合わせることを含め、その時々の状況に合わせて適切な方法を検討する」と語った。

  日銀は今回会合で長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を決めた。声明文では、日本経済は当面、海外経済の減速の影響を受けるものの、基調としては緩やかな拡大を続けるとみられるとの判断を維持。一方で、「海外経済を巡る下振れリスクは大きいとみられ、わが国の企業や家計のマインドに与える影響も注視していく必要がある」と指摘した。

  黒田総裁は、公表文の中で従来より詳しく世界経済のリスクを示しているとし、「世界経済について下方リスクが強まっていると認めている」と説明。ただ、今年後半から世界は成長を加速してくとのメインシナリオは変わっていないとも語った。

  欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は18日、経済見通しが改善せずインフレ圧力が強まらない場合「追加の刺激策が必要になる」とし、利下げは政策手段の一部であり資産購入も選択肢だと語った。米連邦公開市場委員会(FOMC)は19日の会合で政策金利を据え置く一方、見通しの「不確実性」を声明で指摘。FOMC参加者の半数近い8人が年内利下げを予想した。

  黒田総裁は「主要国の金融政策運営が国際金融市場や世界経済に影響を及ぼす可能性は十分ある」と指摘。「この点も注意深く確認しながら、経済物価金融情勢を踏まえて、適切な金融政策運営を行っていく」と語った。

  一方、1ドル=107円台まで円高が進んだ為替相場については、「経済や物価に影響することはあるわけで、そこは注視している」とする一方、「金融政策は為替レートを目標にしていない」との立場を改めて示し、「金融政策を為替レートにひも付けして動かすということは全くない」と語った。

  長期金利の変動幅については、「おおむねプラスマイナス0.1%の倍程度を念頭に置いている」と説明、「金利変動の具体的な範囲を過度に厳格に捉える必要はないので、上下に倍程度と申し上げている通り、ある程度弾力的に対応していくことが適当だと考えている」と語った。

  長期金利の指標となる新発10年国債利回りは20日夕、マイナス0.185%と、2016年8月以来の低水準を更新した。

  さらに、超長期金利が過度に低下すると保険や年金の運用利回りが低下してマインドに悪影響を及ぼす可能性があるとして、「現状ではこのフラット化が進んでいることに関しては注視しており、適切なイールドカーブを実践していくという長短金利操作付き量的・質的金融緩和の趣旨に沿って必要があれば適切に対応していきたい」と述べた。

©2019 Bloomberg L.P.


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