パウエルFRB議長、7月利下げの可能性に扉開く−高まる不確実性で

パウエルFRB議長、7月利下げの可能性に扉開く−高まる不確実性で

(ブルームバーグ): 元米連邦準備制度理事会(FRB)議長のアラン・グリーンスパン氏はかつて、金融政策を「よく表す特徴」は不確実性だと語ったことがある。ただグリーンスパン氏は、トランプ大統領を相手にする必要はなかった。

  パウエルFRB議長は19日、従来の政策を大幅に転換し、早ければ来月にも利下げに踏み切る可能性に扉を開いた。

  こうした転換の主な要因について同議長は、期待外れの低インフレに加え、トランプ大統領の貿易戦争とそれが内外の経済を徐々にむしばみかねない影響を巡る不確実性であることを明らかにした。

  パウエル議長は連邦公開市場委員会(FOMC)での金利据え置き決定を受けた記者会見で、「基本的な見通しは引き続き良好だが、こうした不確実性が今後も見通しの重しとなって、金融政策の追加的な緩和が必要となるかが疑問点だ」と述べた。

  一連の不確実性がすぐに解消されることはなさそうだ。トランプ大統領は28、29両日に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の際に中国の習近平国家主席と会談し、米中通商摩擦を議論する予定だ。だが、関税政策を急転換させるトランプ大統領の傾向を考慮すると、企業も経営判断に当たって穏やかでいられない状況が続くと考えられる。さらに、欧州中央銀行(ECB)も金融緩和の必要性がないか警戒を維持することになりそうだ。

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチの世界経済調査責任者、イーサン・ハリス氏は通商対立について、「信頼感を損ない、それがゆっくりと経済全体に波及している」と指摘。「関税というシロアリが見えないところで徐々に被害を広げている」との見方を示した。

  一方、トランプ大統領は米当局批判を緩めようとはしない。大統領はパウエル議長率いる当局に対し、信用を過度に引き締めているとして繰り返し攻撃するとともに、中国や他の貿易相手国との闘いに勝とうとする自身の取り組みを邪魔立てするものだと非難している。

  これに対し、連邦準備制度の独立性を守る立場を明確にしているパウエル議長は19日、米経済が緩和策を必要としているかどうか「極めて近いうちに」もっとはっきりしたことが分かるだろうと説明。議長はさらに、0.5ポイントの利下げの可能性も排除しなかった。

  利下げする場合、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き下げ幅が25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、50bpのいずれとなりそうか問われ、当局としてその問題に「まだ取り組んでいない」とパウエル議長はコメント。「今後入手するデータや先行きのリスク動向に非常に大きく左右される」との考えを示した。

  MUFGセキュリティーズアメリカの米金利ストラテジスト、ジョン・ハーマン氏は「7月の50bp利下げの可能性も排除できない」と話す。その上で、「議長の発言は少なくともこうしたアイデアを受け入れるものと受け止められ、それは市場の想定よりも積極的なものだ」と論じた。

©2019 Bloomberg L.P.


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