6月の全国消費者物価0.6%上昇、伸び縮小-エネルギーが押し下げ

(ブルームバーグ): 総務省が19日発表した6月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比0.6%上昇と前月の伸びを下回った。電気代やガス代の伸びが引き続き鈍化し、ガソリンが下落に転じるなど、エネルギーが全体を押し下げた。

エコノミストの見方

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミスト:

コアコアCPIの伸び率は上がりもせず下がりもせず、ある意味で安定しているが、コアCPIはエネルギー主導で今後も伸びが鈍化するだろう4月の展望リポートの2019年度コアCPI見通しである1.1%上昇はちょっと厳しい。今回の展望リポートで下方修正されるだろう。20、21年度は今回は据え置きだろうが、いずれ下方修正される可能性が相応に高いとみている

明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミスト:

物価自体は予想通りで引き続き一般物価の上昇は鈍い。これ自体は金融政策に大きな影響を与えるものではないと思う今回は米連邦公開市場委員会(FOMC)よりも日銀の会合の方が早く終わるので日銀の判断としては悩ましいところだが、円高が足元急速に進んでいるわけではないので慌てて動く必要はないと思う。景気も今のところ個人消費を中心に底堅いフォワードガイダンスの長期化もやるなら9月ではないか。そこにいけば10月の消費増税も迫っているので幼児教育の無償化や携帯料金の値下げなど、先行き物価は下押し圧力にさらされる

日本総合研究所の安井洋輔主任研究員:

6月のコアの低下はエネルギー価格の低下がラグを伴って影響した。ただコアコアについてはそこそこの伸びを維持している2%という物価目標の観点からは全然物足りないが、プラス幅が縮小していってデフレに逆戻りしていく状況にはない今月の金融決定会合で日銀は行動をとらないと思う。設備投資や公共事業などで内需は底堅い状況が続いており、日本の景気が悪いわけではない

詳細

上昇は電気代(2.5%)、都市ガス代(5.0%)、家庭用耐久財(5.1%)、外国パック旅行費(6.2%)、宿泊料(2.1%)。下落は携帯電話通信料(5.8%)、ガソリン(2.7%)エネルギーはガソリンが下落に転じたほか、電気代、ガス代の伸びが鈍化し、全体の伸び率を押し下げた−総務省担当者携帯電話通信料は大手の値下げで下落幅が拡大した−総務省家庭用耐久財はルームエアコンが引き続き高いが、前月より価格が落ち着いた−総務省生鮮食品を除く食料は、ポテトチップス、アイスクリーム、カップ麺など幅広い品目で上昇した−総務省宿泊料は中国の端午節がちょうど調査日に当たるという特殊要因で上昇した−総務省

背景

物価の基調は引き続き弱い。6月はエネルギー価格が全体を下押ししたほか、携帯電話大手2社が通信料を値下げしたこともコアCPI伸び率鈍化に寄与した日本銀行は30日の金融政策決定会合後、経済・物価情勢の展望(展望リポート)を公表。みずほ総合研究所の門間一夫エグゼクティブエコノミストは9日のインタビューで、成長率、物価とも「あるとしたら若干の下方修正だろうが、それほど大きな変更はないだろう」と予想若田部昌澄副総裁は6月27日の会見で、「このままだと2%物価目標達成がなかなか難しいことに合意できるなら、中央銀行としては先んじて政策手段を取ることはあり得る」と指摘

(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新します)

©2019 Bloomberg L.P.


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