(ブルームバーグ): 世界が手袋不足に見舞われている。その上、手袋生産で世界一のマレーシアが実施している大規模な新型コロナウイルス封じ込め策が問題を悪化させている。

  マレーシアゴム手袋生産者協会に加盟する企業は、世界の手袋5組のうち3組を生産。同国政府が広範な封鎖措置(ロックダウン)を発動し、生産工場が配置人員の削減を余儀なくされていることから必須の医療用品である手袋が世界で「慢性的に不足」すると同協会は警告している。

  世界最大の手袋メーカーであるトップ・グローブによれば、欧米をはじめとする各国からの需要が同社の生産能力を上回っており、注文への対応が最大4カ月遅れている。

  マレーシアは新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため、全国的な移動制限を敷いている。多くの企業に事業の休止を命じ、それ以外の企業についてはできるだけ多くの従業員を自宅にとどめておくよう指示。同協会によると、大半の手袋メーカーは5割の工場スタッフという特例措置を受けているが、一部のメーカーは労働力を総動員する認可を通商当局から得ることを模索している。

  新型コロナの医療現場では医療用品が不足し、世界各国の政府はマスクや人工呼吸器、ガウンなどの確保と、そうした在庫を積み増そうと躍起だ。そのため大手手袋メーカーの多くが工場のフル稼働を迫られているが、マレーシアが新型コロナ感染拡大の「第2波」と闘う中で、地元の手袋メーカーは生産を抑制せざるを得ない。

  同協会のデニス・ロー会長は26日の電話インタビューで、「今の需要は異常で、病院は手袋が不足している」と指摘。「われわれが望む量を供給することができないが、これはわれわれが選択したことではない」と語った。

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