(ブルームバーグ): バイデン次期米大統領は今週、財務長官へのジャネット・イエレン前連邦準備制度理事会(FRB)議長の指名を柱とする経済チームの顔ぶれを発表する予定だ。新型コロナウイルス禍の経済的打撃に対処するための主要な陣容を整える。

  イエレン氏はFRB当局者として計20年近くの経歴を持つ百戦錬磨のベテランであり、財政資金や信頼感回復を緊急に必要とする米経済の立て直しを主導する役割を担う。バイデン氏は雇用創出の原動力である中小企業支援に何兆ドルもの新たな刺激策を呼び掛けている。

  イエレン氏は、超低金利を踏まえれば財政赤字計上のコストも比較的割安に抑えることができるとして、「異例の財政支援」の必要性を訴える見通しだ。

  バイデン氏はこの他の経済チームメンバーも発表すると見込まれている。人選プロセスに詳しい複数の関係者によれば、行政管理予算局(OMB)局長に民主党政策スタッフを長年務めるニーラ・タンデン氏、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長にプリンストン大学公共政策・国際関係大学院長のセシアリ・ラウズ氏を指名する方針だ。追加の経済対策を巡る議会審議の行き詰まりを打破することが同チームの最優先事項となる。

バイデン氏、行政管理予算局長にタンデン氏を指名へ−関係者

  イエレン氏が実際に指名された場合、上院での承認手続きはスムーズに行われると予想される。同氏はFRB議長として共和党議員と言い合うことは時々あったが、幅広い層から尊敬を集め、共和党議員の一部からもその人選に称賛の声が上がっている。

  現在74歳のイエレン氏は近年では高齢での財務長官指名となり、就任すれば女性初となる。FRB議長と財務長官の両ポストに就けば、カーター政権時代のウィリアム・ミラー氏以来で、クリントン政権時代にイエレン氏が務めていたCEA委員長を合わせれば、初の主要経済ポスト「三冠王」となる。

  イーブンフロー・マクロのエコノミスト、マーク・サマリン氏は「バイデン氏がイエレン氏を選んだのは賢明だ。政治的な偏向がなく、誰からも尊敬されている。刺激策の必要性について、これほどの見識をもって訴えることができる存在はない」と語った。

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