(ブルームバーグ): 野村ホールディングス(HD)は、新型コロナウイルスが収束した後の働き方について、最低出社を月間の4割とする国内統一ルールの導入など在宅勤務制度の拡充について最終調整を進めている。1日にオンラインで機関投資家向けに開催した「ノムラ・イベストメント・フォーラム2020」で奥田健太郎社長が明らかにした。

  奥田社長は、在宅勤務などコロナ下で広がった多様な働き方について「生産性を維持できただけでなく、むしろ生産性が向上したケースも出てきている」と高く評価。一時的な危機管理対応ではなく、恒常的に生産性を高める取り組みとして社内制度やインフラ整備に取り組んでいると述べた。

  在宅勤務制度は、最低月4割の出社を国内での統一ルールとした上で、部門ごとに事情に合わせて運営方針を決める。海外との連絡が必要な社員などを対象にフレックスタイム制度の導入も行う予定。また、通勤時間を短縮できるサテライトオフィスなど多様な働き方を前提としたオフィスのインフラ整備も検討する。

  在宅勤務を巡っては、米アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)らが非常にうまく機能するとして今後も活用する意向を示す一方、米銀JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOらは長引く在宅勤務で経済・社会的なダメージが広がっているとの警鐘を鳴らすなど見方が分かれている。

  奥田社長が就任当初から意欲を見せているプライベート市場戦略に関しては、ホールセール部門に占める収益規模を20年度までの2年間の平均見込み11%から24年度に14%まで伸ばすとした。今後の優先課題として、米国中心に非上場企業の債券などを扱う事業の拡大や国内でベンチャーなど非上場株式に投資する上場ファンド設立の検討などを挙げた。

  アジア富裕層向け事業では、昨年12月に開業した中国での合弁証券会社が現在3支店目の開設を準備中だと説明。中国を除くアジア・中東富裕層向けの運用資産については、19年度末の70億ドル(約7300億円)から24年度に約5倍の350億ドルまで引き上げる目標を示した。

(第5、6段落に情報を追加して更新しました)

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