(ブルームバーグ): 9月に総選挙を控えるドイツでメルケル首相の後継候補として、連立与党の保守系統一会派は、首相が属する与党キリスト教民主同盟(CDU)のラシェット党首(60)を選出した。

  ラシェット氏と首相候補の座を争ったCDUと統一会派を組む姉妹政党、キリスト教社会同盟(CSU)のゼーダー党首(54)は、CDU委員会が大差でラシェット氏を支持したことから敗北を認め、「さいは投げられた。ラシェット氏が首相候補だ」と述べた。「この極めて困難な選挙戦において、ラシェット氏にはCSUの万全な支援を申し出た。われわれは一切の悔恨なく、全力でラシェット氏を応援する」と続けた。

  有権者の間では、ゼーダー氏の支持率の方がかなり高いが、CDU党首に選ばれてから3カ月に満たないラシェット氏を拒否すれば、党体制の不安定化やラシェット氏が州首相を務める国内で最多の人口を抱えるノルトライン・ウェストファーレン州の選挙戦に影響が及ぶなど、新たな問題が生じる恐れがある。

  一方、世論調査で支持率を伸ばし、CDU・CSUとの差を縮めている野党・緑の党は19日、次期首相候補として、40歳のベーアボック共同代表を選定した。

  政治科学者で外交政策の専門家でもあるベーアボック氏は「民主主義、政治における信頼が総じて脅かされている」と述べ、「私が目指すのは刷新だ。他の候補者が示すのは現状維持だ」と続けた。

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