(ブルームバーグ): バイデン米大統領は米国の温室効果ガス排出量を2030年までに半減させると公約した。同氏は22、23両日にバーチャル形式で主催する気候変動サミットで、気候変動対策への米国のあらたな決意を示すとともに、サミットに招請した40カ国・地域の首脳に取り組み強化を働き掛ける。

  バイデン氏はサミットの冒頭で、米国は温室効果ガス排出量を30年までに05年の水準から50−52%削減すると発表。オバマ元大統領が打ち出した取り組みをほぼ倍増させる内容だ。

  ホワイトハウスから発言したバイデン氏は「この危機を単独で解決できる国は存在しない」と指摘。「われわれすべて、特に先進国が取り組みを強化しなければならない」と述べた。

  米国の新目標は中国やインド、ブラジルなど世界の排出量上位の途上国に野心的な削減目標を設定するよう促すのが狙いだが、自国の経済成長を鈍化させかねない目標へのコミットを懸念する首脳からは冷ややかな反応も予想される。中国の習近平国家主席とインドのモディ首相はいずれも冒頭発言で、従来の目標を維持した。

  さらに、トランプ前政権が地球温暖化対策の国際的な取り決めであるパリ協定離脱を決め、バイデン政権になって協定に復帰した経緯もあり、米国の新たな公約が信頼に足るか米国以外の国や地域からは懐疑的な目が向けられている。

  バイデン大統領の新たな削減目標はほぼ全ての米国民の生活に影響するような変革を必要とするが、化石燃料の使用を実質的に罰したり、再生可能エネルギーの使用を義務付けたりするなどして大幅削減を図る法案には、議会共和党が反対する公算が大きい。政権が講じる規制に業界が異議を申し立てるであろうことも確かだ。

  バイデン氏は「この10年が勝負だと科学者は指摘している」と発言。「この10年間にわれわれは気候危機による最悪の結末を回避する決断をしなければならない。地球の気温の上昇をセ氏1.5度に抑えるよう努めなくてはならない」と続けた。

  一方、中国の習主席は環境保護を生産性の観点で表現した。「環境を保護するということは生産性を保護するということだ。環境を改善するということは生産性を引き上げるということだ」と指摘。「健全な環境が、持続可能な経済的かつ社会的な発展を世界的に支えるものとなるよう留意する必要がある」と話した。

   

(バイデン、習両氏の発言を追加し、更新します)

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