(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は緊急債券購入のペースを減速させ、新型コロナウイルスの危機対応で打ち出した措置の年内終了に向かって順調に進んでいることを示唆した。感染抑制の制限措置解除に伴い、経済全体が力強く回復すると見込んでいる。

  ベイリー総裁率いる金融政策委員会(MPC)は、新型コロナワクチンの急速な普及が6月の完全な制限解除に道を開いたことから、国内総生産(GDP)が年内にコロナ前の水準を回復するとの見通しを示した。退任するチーフエコノミストのアンディー・ホールデン氏は債券購入目標額の引き下げを主張した。MPCは8対1で購入目標額の据え置きを決めた。

  英中銀は世界に先駆けて債券購入を減速させた。ワクチン接種の進展で一部の国は制限の緩和に動いており、経済への緊急支援がいつまで必要かの議論が始まっている。

  英中銀は「国内経済活動に対するほとんどの制限が取り除かれることで、GDPは年内にコロナ前の水準を力強く回復すると予想される」とし、「感染リスク低下と不確実性の後退、および発表済みの財政・金融措置が需要の伸びをさらに後押ししている」と分析した。

  年内に退任するホールデン氏は、現行ラウンドの債券購入目標額を1500億ポンド(約22兆8000億円)から1000億ポンドに引き下げることを主張した。

  「今や経済が急速に成長している明確な証拠があり、家計と企業双方の支出が驚異的かつ持続的に増加、消費者と企業の信頼感も回復している」と同氏は論じた。

  中銀は債券の週間購入額を10億ポンド減らし34億ポンドとする。「運営上の決定」であり政策スタンスの変更ではないと強調した。

  一方、回復への楽観は経済予測に反映され、今年の経済成長率予想は7.25%に引き上げられた。従来予想は5%だった。

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