(ブルームバーグ): 政府は7日、東京、大阪などに発令中の新型コロナウイルスの緊急事態宣言を31日まで延長することを決定した。対象地域は現在の4都府県に愛知、福岡両県を追加する。

  菅義偉首相は対策本部で、大都市部中心に新規感染者数が高い水準にあるとして「高い効果の見込まれる措置を徹底する」と述べた。変異株が流行するインドなどからの入国者には6日間のホテルでの待機を求め、水際対策を強化する考えも示した。

  新たな方針では、百貨店など大型商業施設に対する休業要請を見直し、代わりに午後8時までの時短営業を要請する。イベントの開催条件も緩和した。

  一方、飲食店には時短営業を引き続き要請し、酒類・カラオケを提供する場合は休業を求める。酒の持ち込みを認めている飲食店も休業要請対象に追加した。

  ただ、対象となる都府県は独自に国の方針より強い対策に取り組む考えだ。東京都の小池百合子知事は記者会見で、「人流を徹底して抑え込み、何としても感染を収束させる」と述べ、大規模商業施設への休業要請を継続する方針を表明した。新規感染者数などを抑え込むことができれば宣言の解除前倒しも可能との認識も示した。

  共同通信によると、大阪府も大型商業施設に対する休業要請の継続を決定。京都府と兵庫県は休業要請を土日のみに限定し、平日は午後7時までの営業時間の短縮を求めることを決めた。

  3回目となる現在の緊急事態宣言では、酒類提供やカラオケ設備を持つ飲食店、1000平方メートル以上の大型商業施設などを対象に休業要請を行った。感染力の強い変異株が流行する中、4月25日から5月11日までの短期間の宣言で大型連休の人出を抑える狙いだったが、感染者数は十分に減少しなかった。

  東京都が7日に発表した新規感染者は907人。感染者数の直近7日間移動平均は766.4人で、前週比は99.1%だった。

  伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストは愛知、福岡両県の追加や飲酒関連の制限を厳しくする一方で、大規模施設の休業要請を緩和する政府方針は感染リスクに即したきめ細かい対応で「トータルでみれば経済に対してはプラスだ」と指摘した。

  また野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、対象地域中心にサービス業などで個人消費が減少しており、「延長されたことで影響は長引く」と指摘。ただ1回目の宣言時と違い、「米中の景気回復を背景に日本の輸出や製造業の生産活動は堅調」とし、4−6月期は昨年のように大幅なマイナス成長にはならないとの見方を示した。

(小池都知事のコメントを追加しました)

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