(ブルームバーグ): 米エール大学の最高投資責任者(CIO)として長年にわたって寄付金運用を統括したデービッド・スウェンセン氏が5日に死去した。67歳だった。スウェンセン氏の下で同大学の基金は312億ドル(約3兆4050億円)に膨らみ、私立大学ではハーバード大学に次ぐ2番目の規模に成長した。

  エール大学の6日発表によると、スウェンセン氏は長い間がんと闘っていた。

  スウェンセン氏が1985年にCIOに就任したころ、同大学の基金のポートフォリオはありきたりの株式・債券が中心だった。同氏はプライベートエクイティー(PE=未公開株)やヘッジファンド、不動産に投資対象を多角化することで同基金を新たな軌道に乗せた。大学やその他機関投資家の運用手法を大きく変える影響をもたらした。

  スウェンセン氏はベンチャーキャピタル(VC)を通じた新興企業への投資に特に積極的だった。リンクトインに投資した270万ドルは、同社が2011年に株式公開した際、8440万ドルの利益を基金にもたらした。

  直近の20年6月の数字によると、同基金の資産配分ではベンチャーが最大の22.6%を占める。2番目に大きいのはヘッジファンドの21.6%だった。

  スウェンセン氏の最大の遺産の一つは人材の輩出だ。これにはプリンストン大学のアンドルー・ゴールデン氏、マサチューセッツ工科大学(MIT)のセス・アレクサンダー氏、ボウディン大学のポーラ・ボレント氏など、移籍先の機関での資金運用で活躍するマネジャーが含まれる。

  プリンストン大学の経済学名誉教授で「ウォール街のランダム・ ウォーカー」の著者として知られるバートン・マルキール氏は、「理論を知っていても実務は知らない人々と、実務は知っているが理論を知らない人々がいる。スウェンセン氏は両方とも知っている人だった」とコメントした。

©2021 Bloomberg L.P.