(ブルームバーグ): 米連邦準備制度理事会(FRB)の金融安定報告は、市場でリスク選好が衰えた場合、相場の「大幅下落」を招きかねないと指摘したが、現時点ではそれが起きる兆しはほとんど見当たらない。

  特に株式相場は、あらゆるシナリオも払いのける力を示しているようだ。成長が過熱するとの見方が浮上しても銀行株と運輸株は上げ、今週は全営業日でプラスとなった。雇用の勢いの陰りが示唆されると、自宅待機で恩恵を受けるテクノロジー銘柄が大きく回復。7日の取引ではナスダック100指数と、キャシー・ウッド氏率いるアーク・インベストメント・マネジメントが運用する上場投資信託「アーク・イノベーションETF(ARKK)」が上昇した。

  商品相場の急上昇でインフレ懸念が高まると、素材メーカーが買われ、これら銘柄は週間ベースで6カ月ぶりの大幅上昇となった。

  アビバ・インベスターズの米国株責任者、スーザン・シュミット氏は電話取材に対し、「すごいことだ。何があっても相場はほとんどの場面で上げ続け、下がらない」と指摘。「市場全体が景気回復を信じ、それに賭けていると宣言し続けている」と述べた。

  週間ベースのS&P500種株価指数の動きを見ると、過去10週のうち8週で上昇。年初来では約13%高となっている。より印象的なのは、多くのバリュエーション指標が「ドット・コム・バブル」以来の高水準にある中でも、同指数が底堅さを示していることだ。

  バブルの警告にもかかわらず、株価は上げ続けている。上昇持続に懐疑的な市場関係者は、リスクを伴う不安定な水準にあると受け止めているが、他の関係者は相場の回復力が広範囲にわたる力強さを裏付けていると捉え、景気が持ちこたえる限り、トレーダーは投資を継続できるとみている。

  チャールズ・シュワブ・インベストメント・マネジメントでパッシブ株式・マルチアセット戦略の担当最高投資責任者を務めるオマール・アギラール氏は「市場の心理や行動は今年、アニマルスピリットが非常に強力なことを示している」と指摘。「ワクチン接種を受ける人が増えるにつれ、先行きに対する安心感が強まり、それが相場に反映されている」と述べた。

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