(ブルームバーグ): 米最大の石油製品パイプラインが身代金要求型コンピューターウイルス「ランサムウエア」とみられる攻撃を受け、7日遅くに操業を停止した。パイプラインの運営会社コロニアル・パイプラインが8日公表した。

  ヒューストンからノースカロライナ州に伸びるコロニアルのパイプラインは、米東海岸にガソリンやディーゼル燃料、ジェット燃料を輸送する重要な動脈であり、輸送能力は日量約250万バレル。さらにニューヨーク州にも日量90万バレルを供給する。サイバー攻撃による操業停止は、エネルギー供給と市場を揺るがしかねない。

  コロニアルは「今回の脅威を阻止するため、先回りして一部のシステムをオフラインにした結果、全てのパイプラインが操業を一時停止したほか、ITシステムも一部影響を受けた」と説明。同社は業務の正常化に向け作業を進めているという。

  サイバーセキュリティー会社ファイア・アイは、同社の Mandiant(マンディアント)侵害対応部門がコロニアルの調査を支援していると発表。レコーデッド・フューチャーのシニア脅威アナリスト、アラン・リスカ氏は、今回の攻撃には「ダークサイド」と呼ばれるランサムウエアが使用されたと思われると指摘した。

  ホワイトハウスの報道官は「連邦政府は今回の事件の影響評価と供給途絶の回避、可能な限り早期のパイプラインの復旧支援に積極的に取り組んでいる」とした上で、バイデン大統領が8日午前に事件について説明を受けたことを明らかにした。

  米エネルギー省も供給への「潜在的影響を注視している」とのコメントを出し、連邦エネルギー規制委員会(FERC)も「他の連邦機関と連絡を取り合い、状況の監視で緊密に連携している」と説明した。

(ホワイトハウスとエネルギー省のコメントなどを追加して更新します)

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