(ブルームバーグ): ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は米労働市場が依然として「深い穴」に陥ったままだとし、新型コロナウイルス禍からの回復ペースを速めるために積極的な支援が必要だとの見解を示した。

  カシュカリ総裁は9日にCBSテレビの番組で、「米国の雇用はコロナ流行前の水準を依然として800万−1000万人程度下回っている」と述べた。また、失業保険給付の拡充が人々の仕事復帰の阻害要因の1つになっているとの見方は「ある程度真実」だとの見解を示した。

  4月の米雇用者数は前月比でわずか26万6000人増。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値は100万人増だった。家計調査に基づく失業率は6.1%に上昇した。

  カシュカリ総裁は「深い穴に陥ったままの状況にあり、こうした人々が早期に仕事に戻れるようできる限りのことをする必要がある」と強調。「米金融当局は労働市場の回復を加速させるため、できる限りのことをしている。それが経済にとっても、全米の家計にとっても望ましいからだ」と話した。

  新型コロナへの警戒感の長期化や、多くの学校で対面授業中止が続いている中での手頃な保育の不足に加え、失業保険給付の拡充が人々の仕事復帰を阻害していると共和党知事らが批判していることについて、「これらの要因はいずれも向こう数カ月に改善の方向をたどるだろう」と総裁は予想した。

  具体的には「感染拡大のペースが鈍化し続け、学校が再開し、人々が信頼感を回復するにつれて状況は改善し、今年下期の力強い成長や労働市場の力強い回復につなだろう」と語った。

  コロナ禍に対応する経済対策として実施されている週300ドル(約3万3000円)の失業保険給付上乗せは9月に失効する。  

  インフレ率については、コロナ禍で極めて低水準だった前年と比較するベース効果と、経済活動再開に伴うサプライチェーンの供給不足で向こう数カ月は「高く見える」だろうと指摘。「インフレ率は短期的に突出した伸びとなるだろうが、一時的なものにとどまる可能性が高いと考えられる」と述べた。

  カシュカリ氏は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を持たない。

(3段落目以降に発言を追加して更新します)

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