(ブルームバーグ): バイデン米大統領のインフラ計画と気候変動対策の資金を賄うため民主党が富裕層への増税を目指す中で、ヘッジファンドの運用担当者はプエルトリコに避難先を求めている。

  エクソダスポイント・キャピタル・マネジメントとミレニアム・マネジメントはプエルトリコに関連会社を設立したことが現地の記録で明らかになった。これにより、両社のポートフォリオマネジャーは、大きな税優遇措置の適用を受けようとプエルトリコに転居する可能性がある。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)でリモート勤務が主流になった今、そうした選択肢の人気が高まっている。

  マイケル・ゲルバンド氏率いるエクソダスポイントはプエルトリコに資産運用部門を設け、共同創業者のヒョンスン・リー氏らが昨年、同島に拠点を移した。イジー・イングランダー氏のミレニアムは、バイデン大統領の選出から数週間後に自社のプエルトリコ部門を設立した。

  バイデン大統領が富裕層に対する一連の増税を提案したことで、これまで報じられてこなかったプエルトリコ部門の存在がより重要になっている。ウォール街の一部では州所得税がないフロリダ州などに移転する動きが見られているが、あえてプエルトリコを選択すれば連邦税も回避できる可能性がある。

  自身の証券会社ユーロ・パシフィック・キャピタルの資産運用部門を2013年にサンフアンに移したピーター・シフ氏は「もはや勤務先の近くに住む必要がなくなり、多くの人が転居を検討している」指摘。米本土では「税率がより高くなるため、ここに移る魅力が高まっている」と語った。

  届け出によれば、ダン・モアヘッド氏のパンテラ・アドバイザーズも先月、グアイナボに資産運用部門を設立した。

  節税を望む人々を引き寄せているのは、プエルトリコが米本土の富裕層の誘致を狙い12年に制定したサービス輸出と個人投資に関する2つの法律。ヘッジファンドの運用担当者が特に関心を抱くのは後者で、報酬の大部分を占める成功報酬などに対するキャピタルゲイン税の免除を定めた条項が含まれる。

  米証券取引委員会(SEC)の記録では、3月末の時点でプエルトリコに関連会社を持つ大手運用会社はエクソダスポイントとミレニアムのみ。両社の担当者はコメントを控えた。

  米国からの移住者に税金関連の助言を提供するベリーズ在勤の弁護士、スチュワート・パットン氏は「税負担を減らすため生活を劇的に変えることに関心があるなら、私のリストにある項目はただ1つ。プエルトリコに移住することだ」と述べた。

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