(ブルームバーグ): 米国株は先週、再び大きく下落し、またしても押し目買いに救われた。インフレ懸念を考えると押し目買いが正しい判断だったかどうかは時間がたたないと分からないが、アナリストやストラテジストは強気の姿勢を崩さず、特にテクノロジー株の値下がりの好機を生かすことを投資家に勧めている。

  12日に発表された4月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比4.2%上昇と2008年以来の高い伸び。食料とエネルギーを除いたコア指数も前月から0.9%上昇し1982年以来の高い伸びとなり、エネルギー価格や比較ベースの昨年が低価格だったという理由では説明しきれないインフレ加速を示唆した。

  だが、ストラテジストらは物価圧力が一時的なものだとする米連邦準備制度の見方に追随する。クロスマーク・グローバル・インベストメンツのチーフ市場ストラテジスト、ビクトリア・フェルナンデス氏は、消費者物価統計での高インフレは一時的なものでテクノロジー株のファンダメンタルズはなお魅力的という見方が揺らぐことはほぼなかったと言う。

  「問題は、今から12カ月後に消費者物価が大幅に上昇しているかということだが、ほとんどの人は恐らくそうはならないと言うだろう。一部の大手テクノロジー企業のこのような値下がりは、私にとっては買い増しの好機だ」と語った。

  S&P500種株価指数は12日には、7日に付けた最高値から一時約4%下げ、週間ベースでも昨年10月以来最大の下落となりそうだったが、13、14日に損失の一部を取り戻し前週末比1.4%安で終了した。ナスダック100指数は12日に2.6%急落したが、週後半の2日で3%反発した。

  「様子見状態の資金が大量にあり、相場下落に対応する需要があることが分かる」と、ジョン・ハンコック・インベストメント・マネジメントの共同チーフ投資ストラテジスト、マット・ミスキン氏が指摘した。

  興味深いことに、ハイテク株の押し目買いをしているのはヘッジファンドなどプロの投資家ではなく、主にデイトレーダーなどの個人であるようだ。バンダ・リサーチのデータによると、リテール投資家はハイテク株と関連上場投資信託(ETF)を1日平均3億ドル(約330億円)購入していた。

  一方、 JPモルガン・チェースのヘッジファンド顧客は、成長株の空売りを増やし、銀行などのバリューセクターを買い増していた。特に半導体株への差し引きのエクスポージャーは少なくとも2020年の初め以来の低水準に落ち込んだ。

  先週の押し目買い推奨の中心はソフトウエア銘柄だった。エバコアISIのアナリスト、カーク・マターン氏は、ソフトウエアをインターネット経由でサービスとして提供する「SaaS」やクラウドコンピューティング関連の優良銘柄は買いの好機だと指摘。同セクターは「短期的には不安定な状態が続くと予想されるが、3−6カ月先をにらんでいる投資家にとっては良い投資先だ」とリポートで分析した。

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