(ブルームバーグ): 米株式市場に「ミーム銘柄」の熱狂が戻ってきた。その規模はこれまで以上だ。

  映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングスの株価は2日、オンライン掲示板「レディット」の書き込みに呼応する小口投資家の買いが殺到して急伸。ウォール街のプロの間では再び、米株式市場が一体どうなってしまったのかと疑問視する声が多く上がった。

  終値は前日比95%高の上場来高値62.55ドル。一時は127%高まで値上がりし年初来上昇率は3000%に達した。時価総額は瞬間的に330億ドル(約3兆6170億円)を超える場面もあった。

  AMC株の急騰は多くの面で、年初に見られたミーム銘柄投資熱の繰り返しだ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束に向かいオフィスが再開されるのに伴い徐々に小口投資家集団は退場すると主張していた人々の間では、今回のラリーはさらなる困惑を招いている。AMCの50億ドルの負債を考慮すると、株主資本は1株当たり5ドル以上のマイナスになるからだ。

  アスタリスク・アドバイザーズのマーク・レビン氏はリポートで、「普通株の水準にファンダメンタルズの裏付けが全くないのは明らかだ(レディット集団には意味を成す)」と記した。

  わずか数カ月前までは、AMCはパンデミックで全米の映画館が閉鎖された影響で経営破綻の瀬戸際にあった。時価総額は昨年4月時点で2億1680万ドルにすぎなかった。1月の株価急騰後も多くのプロの投資家は、レディットのフォーラム「WallStreetBets」に群がる小口投資家を真剣に受け止められるとの考えには冷ややかな反応だった。

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