(ブルームバーグ): ショート投資家が至る所で急襲され、米映画館チェーンのAMCエンターテインメント・ホールディングスや医療保険のクローバー・ヘルス・インベストメンツなど「ミーム銘柄」が月のかなたまで押し上げられるような状況では、そう思えないかもしれない。だが、空売り投資家の側も動きを察知している。

  積み上げに何年もかかったと思われるポジションの解消には時間がかかるが、米株市場でショートスクイーズ(踏み上げ)の標的とするために極度に機が熟した銘柄が、冬以降急激に減少している様子がデータで示された。

  バークレイズのデータによれば、株式の30%以上がショートとなっている銘柄数は5月時点で18と1月の43から減り、ドルベースの空売り総額は50億ドル(約5480億円)と1月から80%急減した。

  市場全体がなお上向きであることも理由の一つかもしれない。しかし、ネット情報を拡散させ、弱気トレーダーのお気に入り銘柄を標的とする個人投資家の成功に直接反応した動きと考えずにはいられない。

  ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズの株式ストラテジスト、クリストファー・ハーベイ氏がやりとりしたヘッジファンド顧客の間では、個人投資家主導の小型株急騰で締め上げに遭うことに不安が高まっており、上場投資信託(ETF)や大型株にショートポジションを移した顧客もいる。

  ハーベイ氏はインタビューで、「多くの投資家がボールを拾い家に帰るか、別の場所に移動した。今のところは戦っても無駄だ」と語った。

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